講座ボランティア企画【第83回名盤を聴く ウラディミール・ホロヴィッツ 特集 第2弾 】

開催日
2022年7月8日(金曜日)
開催場所
三重県文化会館 小ホール
開催時間
13時30分から16時05分まで
講師
梶 吉宏さん(三重県文化会館館長)
参加人数
106人
参加費
無料
自宅のピアノを演奏するホロヴィッツ

講座の冒頭、「18年を経て2回目の特集は2004年の第1回の特集よりも豊富な資料を用いバージョンアップしてお届けする」と講師より伝えられ、この日のプログラムはスタートしました。

会場には100名を超える方がお越しになり、実際にホロヴィッツのコンサートに行かれた方もいらっしゃいました。
まず、1曲目はモーツァルト。講師によると「ホロヴィッツと言えば『ショパン』のイメージがありますが、意外な選曲をしてみました」とのこと。続くホロヴィッツ自身によるインタビューでは「幼い頃から『クレージーピアニスト』と呼ばれていた。そして10歳を過ぎると目標のピアニストはいなくなった」そうです。また、彼は50歳から62歳の12年間、神経症により演奏活動を中止しますが、「すごく幸せな時間だった」と妻・ワンダさんを見ながら答える姿が印象的でした。度重なるメンタルの不調に見舞われたホロヴィッツでしたが、彼女はいかなる時もずっと彼に寄り添ってきたと言います。

梶吉宏 三重県文化会館館長

講座の後半、『ピアノ協奏曲第3番ニ短調』では、曲のラストで、大きく腕を使い鍵盤をダイナミックに叩く当時73歳のホロヴィッツの姿が。指揮のズービン・メータもホロヴィッツの演奏を讃えます。

そして、この日の最後はシューマンの『トロイメライ』。穏やかでやさしく奏でられる音にうっとりとした表情の観衆、中には微笑みを浮かべる少女、涙を流す男性の姿もありました。参加の方々からも「感動した」「こんなピアニストは見たことない」などの声をいただき、講座終了後、講師に質問をされている様子も見られました。

 【プログラム】

1. モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K.330
         第1楽章 アレグロ・モデラート
         第2楽章 アンダンテ カンタービレ
         第3楽章 アレグレット
                      (1985年 自宅収録)
2. インタビュー(1985年自宅収録)
3. ショパン:バラード第1番 ト短調 Op.23
4. ショパン:ノクターン 第15番 ヘ短調 Op.55/1
5. スカルラッティ:ソナタ ホ長調 K.380(L.23)
                          (1968年 カーネギーホール)
6. スクリャビン:焔に向かって(詩曲)
                          (1985年 自宅収録)                     
            ・・・・・・・ 休憩 ・・・・・・・・
7. ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
         (指揮) ズービン・メータ
          ニューヨーク・フィルハーモニック
                           (1978年 ニューヨーク)
8. モスコフスキー:8つの性格的小品より「火花」Op.36No.6
9. シューマン:「子供の情景」Op.15より第7曲:トロイメライ
                     (1986年4月 モスクワ音楽院大ホール)

                                                     

               

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参加者の声

  • コンサートでは味わえないプライベートなものを含めての映像に大満足でした。名盤は初回から聞かせて頂いておりますがホロヴィッツの芸術性に圧倒されました。
  • 聴いてみたかったホロヴィッツをまるで生で聞いたように生き生きした演奏や音が伝わってきました。貴重な音をありがとうございました。
  • ホロヴィッツの人間性にも触れて益々大好きになりました。ありがとうございました。
  • 名前や素晴らしい演奏家というのは知っていましたが指が見れて感動でした。黒鍵を根元で弾けるなんて!ユーモアのある人だったのですね。楽しかったです。
  • 映像たっぷりで本番のコンサートの臨場感あり素晴らしい時間でした。インタビューや奥様とのやり取りを人柄がわかりすっかり魅了されました。至福のひとときありがとうございました。
  • 指の動きをこんなに見せていただける映像でますます感動しました。ありがとうございました。耳と目が夢心地です。
  • ホロヴィッツ、こんなピアニストを見たことがない。ピアノは打楽器だった!指で叩くのか、毎年見たいホロヴィッツ。