講座ボランティア企画【第82回名盤を聴くヴィルヘルム・フルトヴェングラー 特集 第5弾】の事業報告
はじめに宮路正弘新所長より、20年続く「名盤を聴く」を支えてくださっているボランティア、講師に感謝が述べられ、今年度の講座はスタートしました。
講師より「今日はなぜフルトヴェングラーがすごいのか、彼の周辺にいた人たちの言葉から迫りたい」とこの日のプログラムはワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」序曲を鑑賞。時勢柄を象徴するようなマークも映像の中に見え、演奏を見守る観客たちの顔もどこか作られたような印象も受けます。この時期の活動から官職から退いたり法廷に立たされたり演奏禁止になったりと、彼の人生は時代に翻弄されたとも言えます。続いて妻、フルトヴェングラーの指揮で演奏していたベルリン・フィルのハーモニーのティンパニストの証言から、その人となりが少しずつ明らかになって
きました。彼らの証言に共通しているのは、「リハーサルの場で決して座ろうとせず立ち続けた」ということ。そして、リハーサル会場に彼が現れるだけで演奏がグッとよくなったという回想もありました。
後半では、「ザ・グレート」と言われるシューベルトトの交響曲第9番ハ長調を鑑賞。50分を超える長丁場でしたが、来場の方々はじっと思い思いの方法で味わっているようでした。
最後に司会の依田さんより講師・梶館長の40代の頃を収めた映像を見ることが次回予告として告知され、この日の講座は終了しました。
【プログラム】
1.ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」序曲(1942年収録)
2.リハーサル
シューベルト:交響曲第8番「未完成」第一楽章より (1951年収録)
3.インタビュー:「フルトヴェングラーのどこがすごいのか!!」
ヴェルナー・テーリヒェン(元ベルリン・フィル ティンパニスト)
4.R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」(1951年収録)
・・・・・・・ 休憩 ・・・・・・・・
5.シューベルト:交響曲第9番 ハ長調 D944「ザ・グレート」
第1楽章:アンダンテ-アレグロ・マ・ノン・トロッポ
第2楽章:アンダンテ・コン・モート
第3楽章:スケルツォ アレグロ・ヴィヴァーチェ-トリオ
第4楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1942年12月6,7,8日、旧フィルハーモニー)
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講師:梶吉宏 三重県文化会館館長
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講座企画ボランティア・依田さん
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宮路正弘新所長のあいさつ
- フルトヴェングラーの人となりに感動した。
- 生まれる前の貴重な映像が見られてとても驚きました。フルトヴェングラーという人が実像をもって理解しやすくなりました。
- フルトヴェングラーの指揮する姿を初めて見て、姿勢の良いすっと立っている人だったのだなと思いました。戦時中の音楽を聞き入る人々の顔も良かったです。
- 臨場感あふれる音でした。「グレート」を初めて聴かせてもらいました。歌曲とはまた違いダイナミックでした。
- 梶館長のお話が楽しみで本日うかがいました。おかげでコロナでもいろいろな音楽が楽しめることに感謝しています。