みえアカデミックセミナー2021
三重県立看護大学公開セミナー
「ストレス社会と上手に付き合うためのヒント」
の事業報告

開催日
2021年7月20日(火曜日)
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
開催時間
13時30分から15時25分まで
講師
三重県立看護大学 看護学部看護学科(心理学) 教授 小池 敦 さん
参加人数
71名
参加費
無料

「みえアカデミックセミナー」は三重県内の大学・短大・高専・放送大学を含めた高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。
毎年7月から8月(令和3年度は7月16日から8月25日まで)にかけて、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすく講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」から既に20年を過ぎ、「みえアカデミックセミナー」としては、18年目を迎えました。
今後も、県内の皆さんにたくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。



令和3年度の三重県立看護大学公開セミナーは、看護学部看護学科(心理学) 教授 小池 敦 さんを講師にお迎えしました。

三重県立看護大学 看護学部看護学科(心理学)
教授 小池 敦さん

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  • 【講演概要(ホームページ・チラシ紹介文より)】
    昨年から続く新型コロナウィルス感染症によって私たちの生活はさまざまな場面で制約を求められ、これまで以上に誰もがストレスを強く感じているのではないかと思われます。
    このセミナーでは、ストレスについて理解を深めるとともに、ストレスと上手に付き合っていくためのヒントを心理学の立場から考えていきます。

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講演の様子1

【講演要旨】

1.ストレスを知る
2. 自分について知る
3. ストレスへの対処法
4. ストレスに立ち向かうヒント

当日は、受講者の皆さんにも「ストレスチェック」を行っていただきました。

  • はじめに、ストレスに対応するためにはストレスとは何かを知り、自分に何がおこっているのかを知ることが重要であると語られました。身体的や心理的、外的要因などさまざまなことがストレスの原因になりうることや、同じようなストレスを受けても人それぞれ反応などが異なることを説明していただきました。新型コロナウィルス感染症によってもたらされたストレスについても、感染症流行時に特有なストレス反応などを説明していただき、一人ひとりがそれらの問題とどう向き合うか考えることが大切であるとお話がありました。

続いて、ストレスを受けた際の人間の反応についてお話していただきました。ストレスにより引き起こされる身体的活動は同じでも、性格の違いの影響や、ストレスの感じ方が異なるため、自分の性格がどのようなものか考えるなど、自分自身を知ることも重要だと語られました。ストレスと「怒り」について、「怒り」を感じる過程には3段階あり、「出来事が起こる」→「出来事の認識・意味づけ」→「怒りの発生」となっていて、結局のところ出来事に対する自分の価値観や考え方が怒りを生み出すということなどをお話しいただきました。
最後に、ストレスへとの向き合い方をお話しいただきました。ストレス反応が慢性的になるかどうかは、ストレスへの対処法が成功するどうかにかかっていると語られ、「積極的な問題解決」「放棄・あきらめ」「回避・休養」「相談」「見方を変える」という対処法を紹介していただきました。また、ストレスに上手く対処する方法についても紹介していただき、簡単にできるリラックス方法として、「呼吸法」をすすめられ、ストレスに立ち向かうヒントについて、『平家物語』や『ペスト』などの文学作品を用いながら語っていただきました。

参加者の声

  • ストレスの発生から対処方法までの流れが把握できました。今までストレスに真剣に考えたことがなかったので勉強になりました。自分のこれからのストレスについて、どうするか、よい機会となりました。ありがとうございました。
  • いろいろな対処方法を教えていただきありがとうございました。とっても大切な共感を教えていただき、良かった。
  • ストレスについて、分かり易く解説いただき、理解が進んだ。
  • 簡易版ストレス診断で、自分を知るうえで大いに役立った。