人・まち・セミナー アマビエとおかげ参り 「うわさとメディア」を考える の事業報告

開催日
2021年2月20日(土曜日)
開催時間
13時30分から15時15分まで
開催場所
三重県文化会館 1階 レセプションルーム
講師
榎村 寛之さん(斎宮歴史博物館)
参加人数
47名
参加費
無料

2020年2月、突如大ブームをおこした「アマビエ」。
令和2年度の人・まち・セミナーでは、榎村寛之さんに『アマビエとおかげ参り 「うわさとメディア」を考える』と題して、お話いただきました。

講座の様子
手書きで拡散されていった瓦版は、現代でいうTwitterみたいなものと考えられます。

講座では「海からくるモノ」「予言をするモノ」をキーワードとして、江戸時代の瓦版などの文献から「アマビエ」をひもときました。アマビエの派生元と考えられる「予言獣」「人魚(人面魚)」というモノの存在は、瓦版などの出版文化が発達して個人が情報を得やすくなったため全国的に広まっていったそうです。
ただ、当時の人々は好奇心を満たすために、「(どこかの田舎や海の中など)未知なる場所で起こった変わった出来事」として、好奇心を満たすために楽しんでいたことも、人魚(人面魚)を取り扱った文献から伺えると説明されました。

一方で、おかげ参りやお札ふり、「ええじゃないか」など、世のざわめきの予兆・前兆として利用された「うわさ」もあります。だれもがたくさんの情報を得られるようになったため、「うわさ」が「大衆」を動かし、その結果、明治維新につながったという説もあると紹介されました。

現代に生きる我々は、自宅にいながら世界中の情報にアクセスできます。玉石混交な情報があふれる世の中だからこそ、「うわさ」を「うわさ」として楽しんでいた江戸時代から学び、情報を楽しんでもそれに踊らされることない自覚を持って接していく必要があるとしめくくり、本日の講座は終了しました。

参加者の声

  • コロナの時代に考えさせられる内容でした。
  • 本当にあったこととうわさやメディアにひろがっていくものの差というか、昔も今もデマを信じるのはこわいことだと面白く聞かせてもらいました。
  • 姫魚など人魚伝説とメディアのつながり、人魚は実はりゅうぐうの使いという魚だったなどとても中味の濃いお話で良かったです。神社がメディアの発信元になっていたという話は驚きを持って聴きました。