みえミュージアムセミナー 大黒屋光太夫記念館 「大黒屋光太夫―帝政ロシアを見た船頭―」の事業報告

開催日
2020年11月18日(水曜日)
開催場所
三重県生涯学習センター2階 視聴覚室
開催時間
13時30分から15時00分まで
講師
代田 美里さん(鈴鹿市文化スポーツ部文化財課)
参加人数
56名
参加費
無料
講師
講師の代田さん

県内の様々なミュージアムを紹介する『みえミュージアムセミナー』!

今年度は、9月から11月まで三重県生涯学習センターを会場にして、6館のミュージアムがセミナーを行います。

第6回は鈴鹿市にある大黒屋光太夫記念館です。
大黒屋光太夫記念館で開催中の開館15周年特別展「大黒屋光太夫と『風雲児たち』(2020年9月30日から11月23日まで)」の展示を担当された、鈴鹿市文化スポーツ部文化財課の代田美里さんに「大黒屋光太夫 帝政ロシアを見た船頭」と題して講演していただきました。

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―チラシ文より―

伊勢国白子湊(現・鈴鹿市白子)から船出し、ロシアに漂着した大黒屋光太夫は、苦難を乗り越えてサンクトペテルブルグへ到達し、皇帝エカテリーナⅡ世に謁見、帰国を許されます。約10年にわたるロシアでの漂泊の日々の中で、彼は何を見て、何を日本へ持ち帰ったのか。波乱に満ちたロシアでの軌跡と帰国後の功績に迫ります。

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今回の特別展では、漫画家みなもと太郎氏による長編作品『風雲児たち』に登場する大黒屋光太夫に焦点を当て、漫画の原画と記念館所蔵資料により、大黒屋光太夫を紹介されています。講座では、光太夫一行がロシアに漂着し、様々な出会いや別れを繰り返しながら奇跡的に日本へ帰国し、幕府から庶民にまで多くの影響を与えた様子などを、帰国した光太夫から蘭学者の桂川甫周が聞き取りをして書かれた『北槎聞略』の文章や、みなもと太郎氏の漫画、残されている文書などを引用しながら、丁寧に解説されました。光太夫は生涯故郷の白子に帰ることはなかったとされていましたが、昭和62年に発見された文書によって、漂流から20年後に伊勢神宮の参詣を目的として、白子にも帰郷し母親にも会えたことが判明したことを説明されました。生涯学習棟1階では関連パネル展示が開催されており、帰りにはたくさんの方が見学されていました。

講座の様子
講座の様子
パネル展示
パネル展示

参加者の声

  • 鈴鹿市の白子で生まれ育ち80年、大黒屋光太夫について名前だけしか知りませんでした。今日は大変勉強になりました。ありがとうございました。
  • 文書の写しや地図、マンガなどでわかりやすく説明していただいたため良かった。
  • 話の概略は知っていたが、歴史的資料と合わせて説明してもらうとより興味深く感じられた。江戸時代、光太夫はスターだったのですね。