みえアカデミックセミナー2020
高田短期大学公開セミナー
「 育ちに寄りそい・支えるとは
―心理学的理解から― 」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は三重県内の大学・短大・高専・放送大学を含めた高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。
毎年7月から8月(2020年度は7月17日から8月27日まで)にかけて、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすく講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」から既に20年を過ぎ、「みえアカデミックセミナー」としては、17年目を迎えました。
今後も、県内の皆さんにたくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。

令和2年度 第11回目の高田短期大学公開セミナーは、
子ども学科 教授 山口 昌澄 さんを講師にお迎えしました。
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- 【講演概要(ホームページ・チラシ紹介文より)】
子どもの育ちを支える私たち大人は、彼らを優しく見守ってあげたいものです。しかし子育てしていると、言う事をきかなかったりする子どもにイライラや不安を感じることも、しばしば起こるのではないでしょうか。今回は発達・教育心理学的な観点から育ちについて理解を深め、より良い子育てに繋がるヒントになればと思います。
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- 【講演要旨】
■育ち(発達)とは?
■育ちに寄りそうために
ーコミュニケーション発達理論-
■育ちを支えるために
ー自立支援ー
■本日のまとめ
・子どもの「行動」への注目関心
・焦らずゆっくり(発達理解)
・ともに喜ぶ(子どもの味方)

はじめに、「育ち(発達)とは」、人らしくなっていくプロセスであり、何気ない日常行動にあらわれるものだと言われました。
子どもの「育ち」に寄り添うためには、コミュニケーションが発達していく過程を知ることが大切だと語られ、新生児には生まれつき大人の顔をまねる力があることや、表情から危険を察知することができるようになること、「触れ合う・声をかける・微笑み見つめる」を効果的に行うことはその後の人間関係の「育ち」にも影響を与える重要なことだと説明されました。
また、大人からするとわがままだと思える行動も、子どもの自我や自立の育ちにつながっていること、言語発達について行われた実験をもとに、大人がどのように接すればいいのかについてもアドバイスされました。
続いて、子どもの自立支援の考え方について、強制的な躾は悪循環をもたらす危険性があるため、「言うことをきかない」とイライラするのではなく、具体的な行動を提案したり、肯定的表現や共感的表現に言い直すなど、大人が「伝わる」工夫をとる必要性を各表現のポイントなどについても交えて解説されました。さらに、具体的な行動をほめることや手間を惜しまず子ども側のメリットを説明すると良いとのこと。
子どものやる気を高めるためのコツや、「育ち」における「受容(傾聴)」の重要性、その際に大人がとってしまいがちな態度についての注意点を具体的に教えていいただきました。
最後に、子どもが十分甘えられる環境であることも大切であり、親は失敗に不安を覚えるのではなく、子どもが失敗に対して安心感が持てるような環境を作ることが望ましいと語られました。
- 「伝わる工夫」ということはとても大事だと思いました。非認知能力の重要性ということが、最近のトレンドなのかなあと学びました。
- 2歳9ヶ月になる子供がいます。今回の講演に参加したことでいやいや期真最中のストレスから少しだけ離れられそうです。ありがとうございます。まず実践!親がまず落ち着く!
- 子どもの心理興味深かった。
- 子どもの気持ちや具体的な伝え方など、とても分かりやすく勉強になりました。