みえアカデミックセミナー2020
鈴鹿工業高等専門学校公開セミナー
「 ロボコンに見る最先端テクノロジー 」の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は三重県内の大学・短大・高専・放送大学を含めた高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。
毎年7月から8月(2020年度は7月17日から8月27日まで)にかけて、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすく講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」から既に20年を過ぎ、「みえアカデミックセミナー」としては、17年目を迎えました。
今後も、県内の皆さんにたくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。
令和2年度 第10回目の鈴鹿工業高等専門学校公開セミナーは、
機械工学科 准教授 打田 正樹 さんを講師にお迎えしました。
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- 【講演概要(ホームページ・チラシ紹介文より)】
近年、自動運転などのロボットテクノロジーの応用が盛んです。
本講座では、本校が参加している高専・学生ロボコンで使用されたテクノロジーをもとに、ロボットの最先端テクノロジーをわかりやすく説明します。また、それと同時にロボコン舞台裏や学生のロボコンにかける情熱も紹介できたらと思います。
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- 【講演要旨】
■ロボットとは
■学生ロボコンに見るテクノロジー
■高専ロボコンに見るテクノロジー
■まとめ
はじめに、「ロボット」と言うとどのようなイメージがあるかと講師から受講生の皆さんに問いかけがあり、工場などの生産ラインでの稼働や漫画・アニメをイメージされる方が多いとのではと言われました。
ロボットとは分かりやすく言えば「ある程度自動的に仕事を行うもの」だと説明され、種類は多岐に渡り、二足歩行型のロボットをはじめ、ある程度高性能なドローンが5,000円で手に入るようになるなど技術が進歩してきているとのこと。特に車の自動運転システムはロボット技術の最たるもので、車輪付きのロボットと言っても過言ではないと語られました。また、お掃除ロボットやAIスピーカー、スマートフォンにもロボット技術が活用されるなど私たちの生活の身近なところでも技術が活用されており、コンピューター・プログラムやモーターなどの進歩によりロボットの最新テクノロジーの発展が実現可能になっていると説明されました。
そして、コンピュータープログラムの技術がロボットコンテストでどのように活用されているのかについて、実際のロボコンに出場したロボットの練習や試合動画などをもとに、制作過程や結果から見えてきたことを解説いただきました。
「学生ロボコン」では[コンピュータの性能向上による正確な動作]をテーマにロボットに高速な処理を行わせることで精度の高い動作を研究したこと、「高専ロボコン」では[高度なプログラムによる考える力『AI(人工知能)』]をテーマにAIによる全自動のロボット制御を目指し、人工知能に失敗画像と成功画像を比較させて学習させることで、画像から状況を判断できるように挑戦したことなどを語っていただきました。そして、AI(人工知能)については、本戦大会の会場の照明の明るさにセンサーが対応できなかった体験をもとに、現段階では、まだAIの能力を決めるニューロン数が人間の脳神経数に及ばないため、環境の変化に柔軟な対応ができないことを解説されました。
最後に、現在は人間の脳に及ばない人工知能の能力も、人間の能力に追いつくのは時間の問題であり、人工知能がロボットを作る時代が2045年ごろまでにやってくるのではないかと、将来のロボット像の展望を語られました。
- ロボット技術が発展してきているのは知っていたが具体的にわかって面白かった。内容を知ったうえで、その恩恵に浴しえるありがたさを感じられればと思う。研究者の方にはさらに人間に役立つロボットの開発に頑張って取り組んでいただきたい。
- ロボコンはTVで見たことがありましたが、舞台裏の話は興味深かったです。ロボコン+AIの話は「すごいな~」と感心するばかりでした。
- ロボット+AIの組み合わせで高度化できることが推測できました。
- AIが環境変化に、まだついていけない状態が興味深かった。でも500円の基盤でこれだけできるのだから2045年はどうなるか?