みえアカデミックセミナー2020
鈴鹿医療科学大学公開セミナー
「 健康寿命をのばしましょう!
-生活習慣病と低栄養の予防について- 」
の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は三重県内の大学・短大・高専・放送大学を含めた高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。
毎年7月から8月(2020年度は7月17日から8月27日まで)にかけて、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすく講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」から既に20年を過ぎ、「みえアカデミックセミナー」としては、17年目を迎えました。
今後も、県内の皆さんにたくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。

准教授 大杉 領子 さん
令和2年度 第7回目の鈴鹿医療科学大学公開セミナーは、
保健衛生学部(医療栄養学科) 准教授 大杉 領子 さんを講師にお迎えしました。
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- 【講演概要(ホームページ・チラシ紹介文より)】
日本の平均寿命はのび、世界の中でもトップクラスの長寿国ですが、総人口の減少と高齢者の割合の増加により、高齢化が進んでいます。加齢にともない生活習慣病や低栄養になりやすく、健康寿命の延伸に影響します。本講演では、皆さまの健康の保持・増進につながる食生活についてお話ししたいと思います。
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- 【講演要旨】
■平均寿命と健康寿命
■死因別による死亡数の割合
■要介護に至る年齢別要因
■日本の健康をめぐる現状とその対策
■自分の体格は!?
・BMIの求め方
・目標とするBMIの範囲(18歳以上)
■太り過ぎ、どうして体に悪いの!?
・食生活習慣と生活習慣病との関連
・糖尿病に関連する疾患
・食生活のポイント(太り過ぎ・肥満など)
■やせ、どして体に悪いの!?
・高齢者の体重減少・低栄養の原因
・低栄養傾向の者の割合・週に1回以上の外出の有無
・やせが、身体に及ぼす影響
・食生活のポイント(やせ過ぎ、低栄養など)
■毎日の食事
■年齢別による栄養管理の目安

はじめに、「平均寿命」と「健康寿命」に差があることや、要介護に至る要因が、40代から60代くらいまでは生活習慣病であるのに対し、70代以上からはやせ過ぎ(低栄養)が原因となっている現状について説明いただきました。
日本の高齢化や生活習慣病の増加といった問題に対しては、生活習慣病の発症・重症化の予防や高齢者の低栄養予防、健康の保持・増進が必要であり、その第一歩として、まずは自分の体格を一人一人が知ることが重要であると言われました。その上で、[体重÷身長÷身長]の計算で求められる「BMI」の数値が指標となり、18歳から49歳までの普通体重となる最低基準の数値だと50歳以上からは低体重にあたるため注意が必要であることなど、年齢別の目標数値についても解説していただきました。
そして、「太り過ぎ」と「やせ」がどうして体に悪いのかについて、それぞれの注意すべき点や食生活のポイントについても教えていただきました。「太り過ぎ」は食べすぎはもちろん、ストレスや睡眠不足の生活習慣の様々な原因により引き起こされ、糖尿病などから動脈硬化症をおこし、死に至る危険性があることに触れられ、食べる順番が重要とのこと。また、「やせ」については、低栄養になるだけでなく、免疫力の低下を招いたり、骨粗鬆症やフレイル(虚弱)などに陥ったりする危険性があり、十分なタンパク質を摂ることが予防につながるそうです。
最後に、毎日の食事のバランスのポイントや年齢別の課題、栄養管理の目的や適切な考え方について説明していただき、健康の保持・増進と健康寿命をのばしましょうと講師から受講生の皆さんに呼びかけがありました。
- 生活習慣病と栄養について具体的に詳しく講義していただき、大変参考になりました。ありがとうございました。
- タンパク質は1日3回分解と合成を繰り返しているので、3食バランスよくとらないとというお話は、大変参考になりました。私はやせすぎなので気を付けたいです。
- 参考になりました。実行しようと思います。
- 本講座の高齢者の人に対して勉強になりました。毎日の食事等に参考になりました。