みえアカデミックセミナー2020
近畿大学工業高等専門学校公開セミナー
「 オープンデータが持つ地域活性化の可能性 」
の事業報告
「みえアカデミックセミナー」は三重県内の大学・短大・高専・放送大学を含めた高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。
毎年7月から8月(2020年度は7月17日から8月27日まで)にかけて、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすく講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」から既に20年を過ぎ、「みえアカデミックセミナー」としては、17年目を迎えました。
今後も、県内の皆さんにたくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。

准教授 小山 幸伸 さん
令和2年度 第3回目の近畿大学工業高等専門学校
公開セミナーは、
総合システム工学科電気電子コース
准教授 小山 幸伸 さんを講師にお迎えしました。
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- 【講演概要(ホームページ・チラシ紹介文より)】
一般的なオープンデータを説明した後に、政府系データに着目します。津市のオープンデータ活動を概観した後に、他市の先進的なオープンデータ活動事例を紹介し、地域活性化にどう利用できそうかを知って頂きます。皆様自身が地元の例に落とし込んで、オープンデータの利活用を思い描くきっかけになることを期待します。
【※オープンデータ:許可されたルールの範囲内であれば、誰もが自由に使用できるデータのこと】
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- 【講演要旨】
■ オープンデータとは?
■ オープンデータを取り巻く国際的な流れ
■ 三重県におけるオープンデータ
■ 他の自治体の事例
・福井県鯖江市
・奈良県生駒市
■ 発表者によるオープンデータ関連の取り組み
(その1・その2)
■その他、便利なサイト

はじめに、データ引用や詳細情報等に不備があることで科学的方法の原則である「再現性」が担保されないという約350年来もの学術情報共有の問題があったことや、超高層物理学の発展によりデータ整備の重要性が認知されだし、2013年のG8サミット以降オープンデータの利活用を推進させるための取り組みが政府や自治体で進み始めたというオープンデータ活用の歴史的な流れを説明いただきました。
続いて、実際に自治体などでどのようにオープンデータが活用されているのか、津市のオープンデータをもとに解説いただきました。公開されているデータを無料のソフトで閲覧する方法や、PDFやCSVなどオープンデータを掲載する上でのファイル形式別の利便性、再利用促進を目指すためのCCライセンスの表示等について教えていただきました。
また、実際に津市のオープンデータを活用して作成されたアプリの例についても紹介いただきました。
三重県や他県の取り組みについても触れられ、自治体がオープンデータ化し、民間がアプリを作成するなど身近に活用されてきていることが分かりました。
講師の小山さんが学生と共にこれまで取り組まれた、地図のWikipedia版と言われるOpenStreetMapを用いた、各オープンデータ活用の取り組みについても解説いただきました。
最後に、現在は従来の紙媒体から、インターネットを通じたデータ提供に変わりつつあること、様々なデータが作成されることで、誰もが主体的にデータを閲覧し、再利用できる環境が整いつつあること、その利活用のひろがりは市民生活を豊かにする可能性を秘めているのだと語っていただきました。
- データの作り方、目的など具体的によく理解できた。有難うございました。
- 私最近はスマホでインターネットしますから、何でも見られる!はうれしい!!
- オープンデータという言葉を知らずに、津市のデータを利用したことがあります。5つ星オープンデータの説明を聞いて、そういうことかと理解しました。情報発信として、津市のオープンデータが知らないうちに私自身の暮らしと結びついていたことに、ちょっと驚きました。
- IT活用の今後の発展が見えてきたように思いました。