みえアカデミックセミナー2020
四日市大学公開セミナー
「 最近の海洋プラスチック問題と伊勢湾の状況について 」
の事業報告

開催日
2020年7月21日(火曜日)
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
開催時間
13時30分から15時30分まで
講師
四日市大学 環境情報学部 教授 千葉 賢 さん
参加人数
37名
令和2年度は新型コロナウィルス感染防止対策として会場収容率50%以内にて開催しました。
参加費
無料

「みえアカデミックセミナー」は三重県内の大学・短大・高専・放送大学を含めた高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。
毎年7月から8月(2020年度は7月17日から8月27日まで)にかけて、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ、選りすぐりの先生にご専門の研究内容を分かりやすく講演いただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」から既に20年を過ぎ、「みえアカデミックセミナー」としては、17年目を迎えました。
今後も、県内の皆さんにたくさんの「まなびの種」をお届けしてまいります。




四日市大学 環境情報学部 教授 千葉 賢 さん

令和2年度 第2回目四日市大学公開セミナーは、
環境情報学部 教授 千葉 賢 さんを講師にお迎えしました。

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  • 【講演概要(ホームページ・チラシ紹介文より)】

    海洋のプラスチック汚染問題が世界的な話題となっています。本講座では、この問題を理解するための基本的な情報と、現在の国内外の取り組み状況について分かり易く解説します。また、四日市大学が進めている伊勢湾のマイクロプラスチックの汚染調査の最新情報を説明します。

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講演の様子1


  • 【講演要旨】
    1.海洋プラスチック問題の基礎
    2.庄内川新川河口部へのPETボトル大量漂着事件
    3.伊勢湾の海洋ゴミ問題
    4.伊勢湾のマイクロプラスチック汚染状況
    5.海洋プラスチック問題への取り組み方案 

講演の様子2

はじめに、プラスチックとはどのような物質で、どのように製造されるのか、種類や用途、腐食しにくいという長所にも短所にもなる特徴や種類によっては600年近い耐用年数を持つ場合があることなどについて説明いただきました。
そして、マイクロプラスチックによる海洋汚染問題について、有害物質を含む場合や、生物の体内に取り込まれることによる生態系への影響などの危険性とその対策に関する取り組みを紹介していただきました。
また、庄内川新川河口部に2018年大量のPETボトルが漂着した問題では、台風等の水害との関係や回収調査から見えてきたPETボトルゴミの意外な事実について教えていただきました。
伊勢湾海岸のマイクロプラスチックゴミの分布図をもとに、ゴミの種類や分布の特徴、水田土壌における樹脂被覆流出の可能性など、実際に調査を行ってみた結果から見えてきた問題について解説いただきました。
最後に、海洋ゴミ情報の発信及び環境教育普及の取り組みについて、海洋プラスチック研究の推進と情報発信、科学的研究結果に基づく抑制対策の推進、プラスチックの流出防止対策として管理徹底の重要性や使い捨てプラスチックの抑制方法、そして発展途上国のゴミ対策への協力の必要性についてお話しいただきました。


 

参加者の声

  • 鼓ケ浦海岸をよく散歩する中でプラスチックゴミ、木くずの漂着に心が痛くなっていますが、その発生原因等がよく理解出来ました。個の力は小さいですが、ゴミの減量に努めなければとより一層強く思いました。機会があればこういった活動に参加したいと思います。
  • 徐放性肥料のカプセルというプラスチックゴミの話は、驚きを持って伺いました。私たちが日常生活の中でも、洗顔した水の中にもマイクロプラは流れ出すということなども身近に耳にするようになっているので、皆でしっかり考えないといけないと思いました。
  • 地球規模の大変な問題であることがよくわかります。関心を持ってこれからも勉強したいと思います。
  • 実施されている調査、研究内容はかなり興味深いものでした。学術機関の情報提供は重要だと思っているので、引きつづき発信をお願いします。