講座ボランティア企画【第73回名盤を聴く カルロ・マリア・ジュリーニ特集】の事業報告

この日のプログラムは2曲とも迫力ある映像で構成されました。まず、「モーツァルト:交響曲第40番ト短調K.550」では1964年、50歳当時の指揮を振り返りました。一般的には「ゆったりとした巨匠」のイメージがあるそうですが、映像の中のジュリーニは豊かな表情で指揮棒を激しく振る「情熱的な音楽家」であるとの解説がありました。また、この時代、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団やベルリン・フィルハーモニー管弦楽団では男性のみの構成ですが、ニューフィルハーモニア管弦楽団は男女混成であり、イギリスが当時から男女平等である様子が読み取れると付け加えられました。
後半は、各パートのソロ+フィルハーモニア管弦楽団&合唱団による「ヴェルディ:レクイエム」を鑑賞しました。前方からは各パートのソロ、オーケストラ、合唱団、後方からは観客、と視線を集めるジュリーニは歌詞を口ずさみながら豊かな表情で指揮棒を振り、ホールにいる全ての人を魅了しコントロールしている様子が伝わり、1時間30分があっという間に過ぎていくようでした。講師は「現在、全てを暗譜をしている指揮者はいない、彼こそが『本当の指揮者』だ」と話し、この日の講座は終了しました。
1.モーツァルト:交響曲 第40番 ト短調 K.550
第1楽章 モルト アレグロ
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 メヌエット、アレグレット-トリオ
第4楽章 アレグロ アッサイ
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
(1964年12月 フェアフィールド・ホール/クロイドン)
――――――― 休 憩 ――――――
2.ヴェルディ:レクィエム
イルヴァ・リガブエ(ソプラノ)
グレース・バンブリー(メゾ・ソプラノ)
シャーンドル・コーンヤ(テノール)
ラファエル・アリエ(バス)
フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
(1964年4月 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/ロンドン)
- 最も聴きたいレクイエムをすばらしい録音でありがとう。
- 毎回新たな発見といやしの時間を楽しんでおります!ジュリーニさんは背が高く、しゃんとされててビジュアル的にも素敵だなと思いました。
- 今日のジュリーニは名曲名盤で1位だった。新世界、私のクラシックの原点で大学時代から何回聴いたかわからない程。ヴェルディのレク、ジュリーニの眼力、本当にすごいですね。力強い演奏あっという間の90分でした。若々しいと言っても50歳ですか。この世界、50代は若手ですね。
- 具体的なエピソードも交えて紹介してくれたので聴きやすく漫然と聴くより充実した時間にもなりました。この手の音楽家の方々の知識は皆無にも等しいので、これからも良い刺激を期待して度々参加させていただきます。