みえミュージアムセミナー鈴鹿市考古博物館「古代の塩作り」の事業報告
県内の様々なミュージアムを紹介する『みえミュージアムセミナー』!
第3回は鈴鹿市考古博物館です。現在開催中の特別展「塩を作り、運ぶ~伊勢湾をめぐって~」を担当された学芸員の吉田真由美さんに講演していただきました。
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―チラシ文より―
日本には岩塩がなく,湿潤な気候は,塩水を天日干しするには不向きなため,海水を土器で煮詰めていく塩作りが古くから行われてきました。伊勢湾を中心に,製塩実験の様子を交えながら古代の塩作りについて紹介します。
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講座は、塩の役割~なぜ必要なのかという説明から始まりました。さらに古代の塩作りの工程や、万葉集にある「藻刈リ」「藻塩焼き」の言葉から、海草を利用した方法が考えられていることなども説明されました。
塩を煮詰めるための専用の土器は地域によってさまざまな形があり、伊勢湾東岸地域では棒状の脚部をもつが、伊勢湾西岸ではたらい状の浅い平底の土器を使っていたことなどを映像を使って示されました。
さらに、今回の特別展の展示について、作品を陳列している様子の写真など担当者の方ならではのお話を聞くことができました。
生涯学習センター1階のエントランスでは、関連パネル展示が行われており、皆さん熱心にご覧になっていました。
- 海→塩の話~熱心さが伝わりました。製塩土器の移り変わりが学べておもしろかった!!
- 三重で製塩土器が出土しないのは何故なのか?弥生時代に米作が広がったら、沿岸部で製塩しないと塩分が摂れない訳で、困ったのではないかと思いました。
- 塩は動物にとって、とりわけ人間には大切なものです。今回の塩作りを学習することで、万が一塩がなくなった時、塩を作るにはどうすれば良いのか、大変勉強になりました。