講座ボランティア企画【第70回名盤を聴く レナード・バーンスタイン特集】の事業報告
2002年の6月29日の「フルトヴェングラーを聴く」から満17年、「名盤を聴く」は第70回を迎えました。 まず、長島所長より、「参加者の方、ボランティアの方、講師の大きな支えによって長年愛されていると講座だ」と紹介があり、次に、講師・梶館長より「秀吉・信長の時代と違い、幸い現在では多くの映像が残っている。この講座では音だけではなく、人となりが伝わるようなものを楽しんでいただきたい。皆さんにとって今回のプログラムはかなり想定外なのでは?」と話されました。 今回取り上げるレナード・バーンスタインは昨年は生誕100年、来年は没後30年と注目を集めています。この日のプログラムは、講師・梶館長のバーンスタインに関する約300枚のディスクから厳選されたもので、有名な『ウエストサイド物語』は含まれないものの、情熱や魅力が存分に伝わるものでした。

天安門事件により開催地が北京から札幌へ変更となったPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル:バーンスタイン創設の若手演奏家のための教育音楽祭。)のリハーサルでは「STOPください」「THAT'Sちがう」「なんで止めたか忘れた…年を取るって本当に嫌だ」とチャーミングに話しながら心を掴み、「君たちは可能性を秘めている、あと一息で本物のオーケストラ」と情熱を持って若い人たちへ語りかけます。「編集されて真意が伝わらないのでインタビューは大嫌いなんだ」と話す一方で、「残された時間とエネルギーを教育に捧げ、若い人たちと分かち合いたい」と情熱的に話していました。映像の中で、声が出なかったり、指揮の途中に度々苦しそうな表情を見せるバーンスタインはこの3か月後、急逝します。最後の情熱を若い人たちへ傾けていたことが伝わる映像に、見終わった参加者の方から自然と拍手が起こっていました。 アンコールは、五嶋みどりとバーンスタインが投げキスを送り合う微笑ましいシーン。 講師にはまだまだ貴重なコレクションがあるそうで、「バーンスタイン特集 第2弾」の予告でこの日の講座は終了しました。
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解説を行う講師・梶館長
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全身全霊の指揮を見つめます
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長島所長による講座紹介
1.モーツァルト:モテット《アヴェ・ヴェルム・コルプス》K.618 2.モーツァルト:モテット《エクスルターテ・ユビラーテ》K.165(158a) バイエルン放送合唱団、バイエルン放送交響楽団(ソプラノ)アーリーン・オジェー (1990年4月 司教座教会/ヴァルトザッセン) 3.バーンスタイン パーソナリティ 4.最後のメッセージ ~シューマン:交響曲第2番 リハーサル (1990年7月 札幌芸術の森/アートセンター)
――――――― 休 憩 ――――――
5.シューマン:交響曲第2番 ハ長調 Op.61 第1楽章 ソステヌート・アッサイ;アレグロ 第2楽章 スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ 第3楽章 アダージョ・エスプレッシーヴォ 第4楽章 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ パシフィック・ミュージック・フェスティバル・オーケストラ (1990年7月3日 札幌市民会館)
――――――― アンコール――――――
サラサーテ:カルメン幻想曲 ボストン交響楽団(指揮)小澤征爾 (ヴァイオリン)五嶋みどり (1990年8月25日 バーンスタインat70バースデーコンサート クーセヴィツキー・ミュージック・シェッド/タングルウッド)
- はじめて参加しましたが、感激しました。アンコールも素敵。機会を見つけて今後参加したいと思いました。
- とても情熱的な時間でした。ありがとうございました。
- 体力の限界まで全霊をかけられたリハーサルの様子に感動して涙が出ました。
- バーンスタインの熱い思いが、よく伝わってきました。若者たちへの関わり方は、慈愛に満ちていて、本当に音楽と人間を愛していたことが判りました。
- 予期せぬ構成でしたが、バーンスタインの魅力を改めて知ることができました。
- 感動した。バーンスタインがクラシックをこんなにわかりやすく導入してくれた人とは知らなかった。今後、この偉大な人について学びたいと思う。彼のトークがおもしろい。ユニークだ。