講座ボランティア企画 シリーズ文学(2回連続講座)
【正岡子規―魅力に満ちた35年の生涯 ~ノボさんの青春と文学~】の事業報告

開催日
2019年3月3日(日曜日)10日(日曜日)
開催場所
三重県文化会館レセプションルーム(三重県総合文化センター内)
開催時間
14時00分から16時00分まで
講師
河原徳子さん(日本文学研究家) 西野愛さん(ピアニスト) ※3月10日のみ出演
参加人数
169名(3月3日) 151名(3月10日)
参加費
無料

 

 

第1回:写真や直筆資料などで子規の生涯を振り返りました

司会や受付など講座ボランティアの方々が主となって運営する「シリーズ文学」は今年で17年目を迎えました。2週にわたり、幕末から明治を駆け抜けた正岡子規の生涯を、俳句・短歌・文章作品とともに味わいました。

第1回では、年譜や写真、直筆資料により、その生涯を振り返り、夏目漱石や森鷗外との交遊についても触れられました。『歌よみに与うる書』『小園の記』『夢』『墨汁一滴』など、講師の朗読とオリジナル曲で味わいながら、この日は終了しました。

 
第2回:ピアノ生演奏と朗読、写真の融合
 

翌週の第2回では、四日市在住のピアニスト・西野愛さんをお迎えしました。第1回で流れた子規をイメージしたオリジナル曲は西野さんの作品です。今回は作曲者ご本人による生演奏、貴重な写真、そして講師の朗読が融合した贅沢な講座となりました。この日は人間・子規が表れる絵日記のような随筆『仰臥漫録』(ぎょうがまんろく)、死の2日前まで高浜虚子らの口述筆記により連載され、書くことへの執着が伝わってくる『病牀六尺』(びょうしょうろくしゃく)の解説について多くの時間が割かれました。講師によると、晩年、床で過ごすことの多かった子規の身の回りの世話を行う、母親や妹や友人たちから成る「チーム子規」があり、当番表もあったと言います。現代の介護ベッドがないので、畳に手ぬぐいを打ち込み、それを持って起き上がっていたという記録も残っていると解説がありました。その後、子規が残した短歌や俳句を参加者全員で、群読を行いました。

そして、第1回・第2回ともはじめと終わりを飾ったのは、伊集院静『小説 正岡子規と夏目漱石 ノボさん』です。その一節にもあるように、俳句や短歌を文学の領域に引き上げた文学者でありながら、周囲の人々から親しみをこめて「ノボさん」と呼ばれたという、その溌剌(はつらつ)とした生涯を講師によるさわやかな朗読で全2回の講座が終了しました。

  • 視線でタイミングを合わせます
  •  毎年大人気の講座です

  •  書籍購入の方へサインをする講師

参加者の声

  • 2回の講義を受け、正岡子規の魅力に魅かれていきました。声に出して読むことで作者の想いもかみしめることが出来るような気がしました。
  • 子規の病床に多くの友人が集まったのは学識以外に人並み外れた人間的魅力があったのかと改めて思いました。壮絶な苦しみ、友情等感動でした。
  • 先生の暖かい感じのする声に癒されます。目をつむって聞いていると情景が浮かんできます。来年もぜひ聞きたいです。
  • ピアノとのコラボすてきでした。ピアノが鳴り始めた時ジーンとしました。ぜいたくな時間でした。
  • ピアノのそれぞれのところ、雰囲気を変えて作曲なさっていてよかったです。
  • 本日はピアノ演奏でより深く文学シリーズ楽しめました。
  • ピアノの生演奏で先生の朗読に子規の世界(宇宙)に酔いしれることができました。日曜午後の知的な時間を過ごせました。