みえアカデミックセミナー2018
移動講座(紀北町会場)
皇學館大学公開セミナー
「海の熊野参詣道」の事業報告

開催日
2018年12月2日(日曜日)
開催場所
紀北町立東長島公民館 (〒519-3204 北牟婁郡紀北町東長島915番地2)
開催時間
13時30分から15時00分まで
講師
皇學館大学文学部 特別教授 深津 睦夫さん 
参加者数
31名
参加費
無料

毎年度夏に県内の高等教育機関と連携し、三重県総合文化センターで開催している公開セミナー「みえアカデミックセミナー」。秋からは、更に各市町が加わり「みえアカデミックセミナー移動講座」として出張講座を開催しています。今年度は、熊野市、菰野町、伊勢市、紀北町、伊賀市、御浜町の6市町での開催です。

みえアカデミックセミナー2018移動講座(全6回)の第4回目は、皇學館大学・紀北町教育委員会と共催して紀北町の会場にて開催しました。

 皇學館大学文学部 特別教授 深津 睦夫さん

皇學館大学文学部 特別教授 深津 睦夫さん を講師にお招きし、平安時代中期までは、京都から熊野への主な参詣路として、歴史の表舞台から姿を消した伊勢路について、花山院の参詣計画を記した貴族の日記や、道命阿闍梨(どうみょうあじゃり)の家集から、平安時代の伊勢路の実態について考察していきました。

まず、平安中期までは紀伊半島の西側を回る紀伊路と東側を回る伊勢路の二つが存在していたことを記した文献として『梁塵秘抄』を例に挙げて説明されました。そして、平安期の熊野信仰について、熊野三山の熊野本宮大社・熊野速玉大社・那智大社や熊野八講会について解説され、熊野と言う土地が本地垂迹や法華持経者にとっての聖地であったことを紹介されました。

平安中期の伊勢路については、土佐日記に次ぐ男の仮名日記・紀行の作者である増基法師の『いほぬし』という歌集に収められた熊野参詣に係る歌から当時の参詣路を辿っていきました。続いて、『大鏡』や『小右記』、『権記』に記載されている花山天皇の熊野参詣にまつわる記述について説明され、花山天皇と親交が深かった道命阿闍梨の歌集にある熊野参詣に関係がある歌を紹介され、その中に熊野の帰路に関係するのではないかという歌があることから、謎とされる平安中期以降の伊勢路について「海」が参詣路として使われていたのではないかという推論を説明されて、当時に思いを馳せてこの日の講座は終了しました。

  • 講演の様子1

  • 講演の様子2

  • 終了後は熱心に個別質問される方もみえました。

参加者の声

  • たいへんよかったです。
  • 興味深く今後も参加したい。
  • 大変興味深く拝聴しました。ありがとうございました。
  • 大変興味深いお話しを聞かせていただきました。ありがとうございました。
  • 興味のある話で満足です。