まなびぃすとセミナー2018【南方熊楠×中上健次~そして、熊野~】の事業報告

開催日
2018年12月1日(土曜日)
開催場所
男女共同参画センター 多目的ホール(三重県総合文化センター) 
開催時間
13時30分から16時00分
講師
田村 義也さん(南方熊楠顕彰会学術部長)、中上 紀さん(作家)、三石 学さん(みえ熊野学研究会運営委員長)
参加人数
331名
参加費
無料
 3名の講師の方にお越しいただきました

今回のまなびぃすとセミナーは、昨年3名の講師の方をお招きし、4部構成で行われました。日本版ダ・ヴィンチ、南方熊楠(みなかたくまぐす)は昨年、生誕150年を迎え、国立科学博物館の展示には18万人が訪れ、注目を集めています。そして、彼を強く意識していたという作家・中上健次。そして、2人にとって縁のある熊野とはどのようなものだったのでしょうか。第1部では、田村さんによる熊楠の人となりの説明に続いて、南牟婁郡美浜町の「引作の大楠」についても触れられました。樹齢1500年になるこの木は、明治44年に伐採されそうになっていたところを熊楠が、民俗学者・柳田國男へ至急便で手紙を送り、三重県知事への働きかけによって救われました。

 第4部 鼎談「異界の聖地・熊野を語る」

第2部は、熊野市立新鹿小学校で学ばれたお二方、健次の長女である中上紀さんと熊野古道の世界遺産への登録にご尽力された三石さんによる対談です。父・健次との軌跡を描いた中上紀さんの作品『夢の船旅』と、熊野市二木島で撮影された映画『火まつり』を中心にお話が展開されました。休憩を挟んでの第3部は1991年に撮影されながらも諸事情により未公開となった映画『熊楠KUMAGUSU』のパイロット版が上映されました。熊楠役は今では芥川賞作家の町田康さん。町田町蔵名義で出演されています。会場には当時の出演者(熊楠の息子役)の方もおいでくださっていました。最後の第4部では3部までを振り返り、鼎談が行われました。ロビーでは関連書籍が販売され、サイン会が行われました。また、県立図書館にて同時開催の「熊楠、健次、そして熊野」展にも多くの方が足をお運びくださいました。

県内全域また県外からの参加者の方もおり、「今後もこの地方に名を刻んだ人々を取り上げてほしい」「紀州は1つ。三重・和歌山・奈良は1つ」などの感想をいただきました。講師の方々も「皆さん熱心で、会場があたたかい雰囲気だったのでとても話しやすかった」と話されていました。

共催:三重県立図書館  協力:南方熊楠顕彰館、中上健次資料収集委員会  

☆プログラム☆

〇第1部  「巨人」南方熊楠     田村義也 さん  

〇第2部   父、中上健次について 中上 紀 さん、三石 学さん  

休憩     

〇第3部   未公開映画『熊楠KUMAGUSU』パイロット版上映 監督:山本政志 主演:町田町蔵(町田 康)

〇第4部   鼎談「異界の聖地・熊野を語る」    田村義也 さん、 中上 紀 さん、三石 学さん

  •  田村義也さん

  •  中上紀さん

  •  三石学さん

  •  第1部 「巨人」南方熊楠

  •  第2部 父、中上健次について



  •  満員の会場

  •  書籍販売の様子

  •  終了後に行われたサイン会

  •  「熊楠、健次、そして熊野」展  

  •  映画化された健次作品のポスター

  •  図書館1階の熊野コーナー

参加者の声

  • 神社の森が自然や生命を育んでいるから神社を残し、森を残そうという考えで熊楠氏が明治の時代から尽力されていたという話に感動しました。
  • 私は那智勝浦出身で現在津市の大学に通っています。今回熊野のもつうっとりとしてしまうような魅力に気づくことができ、充実した時間を過ごせました。今日の学びを忘れずこれからも励んでいきたいと思います。
  • 中上紀さん(娘さん)の話が聞けてよかった。これからも理論というよりは実際に活動された方、ご家族等の生の話が聴けると良いと思います。
  • 図書館展示も見てきました。講座と関連した展示、良いと思います。
  • 3部のパイロット版映画はいつ頃の映画でしょうか?素晴らしい作品でした。ありがとうございました。
  • 面白く拝聴しました。今後も県内あるいはこの地方に名を刻んだ人々を取り上げてください。