三重県埋蔵文化財センター共催【伊勢街道沿いの中世集落を行く―中林・中道遺跡、小津遺跡の発掘調査から―】の事業報告
講座は中勢バイパス建設にともなう平成12年から15年に行われた発掘調査をもとに進められました。まず、伊勢街道の歴史、そして、後半は調査で見つかった遺構や遺物などについて触れられました。
発掘調査というと、小さいヘラで土を払うような細かい作業を私たちは想像しますが、実際には次のように進められるそうです。まずショベルカーで荒く掘削を行いながら区画を囲い、水中ポンプで中の水をかき出すことによって、遺構を見つけ、はじめて遺物の調査ができるそうです。また、発掘調査の見学会にはたくさんの方が訪れる様子も紹介されました。
講座の後半では発掘された遺物について紹介がありました。遺物は土器や陶器、石製品、木製品と様々です。灯明皿はふちが黒くなっていたり、土師器鍋にはおこげの跡があったり、土器で作られた小さなサイコロがあり、木製の下駄や曲物もあり、中世の人々の暮らしぶりが伝わってきます。 また「蘇民将来子孫門」と書かれた木簡も発掘され、現在の「笑門」のしめ縄まで続くことが想像でき、参加者の方々は頷いたりメモを取っていたりしていらっしゃいました。 この日、会場には発掘された遺物が展示され、触れながら参加者の方々が講師に質問できる時間も設けられ、参加者の方同士もお住まいの地域の歴史についてお話に花を咲かせていました。
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休憩中に質問する参加者の方々
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遺物から中世の生活が見えてきます
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本物の遺物に触れられます
- 出土品まで沢山に持参されて面白い講義でした。
- 遺跡のことだけでなく、発掘現場の様子などもわかって良かったです。とくに出土品の説明のところは昔の人の生活がみえてくるようでおもしろかったです。
- 昔の人々がどんな暮らしをしていたのか思いをはせるのは楽しいことです。展示してある土器なども興味深かったです。破片から復元するのは大変なお仕事だと思います。今後の調査・発掘の作業も頑張ってください。