研究成果報告会 松浦武四郎研究の最前線2018の事業報告
三重県総合博物館で9月15日から11月11日に開催されている企画展「幕末維新を生きた旅の巨人 松浦武四郎」に合わせて、全国の武四郎研究家が集合して最新の研究成果を報告していただきました。
北海道の名付け親として知られる松阪市出身の松浦武四郎は、幕末の北海道を6回にわたって踏査し、さまざまな記録を残したことはよく知られていますが、明治政府の官職を辞した52歳から晩年に至るまで行った古物収集については一般的にはあまり知られていませんでした。平成21年に東京都世田谷に所在する静嘉堂文庫において、好古家としての松浦武四郎に関する新たな資料が出現し、それをきっかけに、幕末維新期から続く国内外の好古家のその活動および功績に関して考究することを目的とした「近代博物館形成史研究会」が発足したそうです。
研究代表者の内川隆志先生が基調講演を行い、その後あと5人の様々な分野の研究者の方による報告会と、報告者全員によるシンポジウムが行われました。
受講者の方々は、知られざる武四郎の好古家としての一面に熱心に耳を傾けていました。
報告会終了後は、三重県総合博物館で研究者の方による解説付きの企画展見学会が行われ、60名近い受講者の方々が参加されました。
基調報告 :内川 隆志さん (國學院大學研究開発推進機構教授)
報 告 :三浦 泰之さん(北海道博物館学芸主幹)
山本 命さん (松浦武四郎記念館主任学芸員)
徳田 誠志さん (宮内庁書陵部陵墓調査官)
長谷 洋一さん (関西大学文学部教授)
堅田 智子さん (上智大学特別研究員)
司 会:太田 光俊さん (三重県総合博物館学芸員)
主催:近代博物館形成史研究会
共催:三重県生涯学習センター・三重県総合博物館
協賛:松浦武四郎生誕200年記念事業実行委員会
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基調講演 内川隆志さん
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報告1 三浦泰之さん -
報告2 山本命さん
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報告3 徳田誠志さん
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報告4 長谷洋一さん
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報告5 堅田智子さん
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シンポジウムの様子
- 武四郎が単に北海道の名付け親だけでなく考古学者的な面を持つ偉大な人物であったことがよく理解できました。
- 松浦武四郎について、私の中では知らない人物でしたが、ドラマ化される事になり、知識と人物について勉強したかったのでとても有意義な講演となり、深く感銘を受けることができました。ありがとうございました。
- 武四郎がこのような様々の角度から研究されていることを初めて知りました。71年の人生でこれほど多くの足跡を残し、後世で研究対象となり、きっと納得の生き方だったのだろうと感じています。