みえアカデミックセミナー2018 高田短期大学公開セミナー
講演1「 「障害」表記の問題 ~障害・障碍・障がい・しょうがい~ 」
講演2「 介護予防は日本を救うキーワード ~縮む・ゆがむ・かわく~ 」の事業報告

開催日
2018年8月18日(土曜日)
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
開催時間
13時30分から15時30分まで
講師1
高田短期大学 子ども学科・介護福祉研究センター 教授・センター長 千草 篤麿 さん
講師2
高田短期大学 キャリア育成学科介護福祉コース・介護福祉研究センター  助教・研究員 長谷川 恭子さん 
参加人数
98名
参加費
無料

「みえアカデミックセミナー」は県内の大学・短大・高専・放送大学を含めた高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。毎年7月~8月(2018年度は7月14日~8月23日)にかけて、三重県総合文化センターを会場に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生に、ご専門の研究内容をわかりやすくお話ししていただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」から既に20年を超え、「みえアカデミックセミナー」としては、15年目を迎えました。
これからも皆さまに、たくさんの「学び」をお届けしていきたいと思います!

 高田短期大学 子ども学科・介護福祉研究センター 
教授・センター長 千草 篤麿 さん

第12回目の高田短期大学公開セミナーでは、二人の講師をお招きし、2つのテーマでセミナー開催しました。

講演1では、子ども学科・介護福祉研究センター 教授・センター長 千草 篤麿さんを講師にお迎えし、文字で書き表す際に「障害者」という表記をせずに、「障がい者」や「障碍者」という書き方をする自治体や学校が増えてきている現状を踏まえ、国会での検討の経緯や障害者問題の本質について講演いただきました。

三重県は現在「障がい」表記ですが、国や新聞の多くの文書は「障害」を使用していることも触れられ、経緯もご説明いただきました。

「障害」表記を巡って、国会での委員会を設置後、インターネットなどを通して一般の意見も取り入れながら検討を繰り返した結果、現在は障害表記を使用するに至った経緯や、何故三重県も含めて「障がい」表記をする自治体などが増えたのかについてもご説明いただくと、受講生の皆さんも興味深そうに時々頷かれたり、熱心にメモを取られたりしていました。
その上で、大切なことはこの問題が単なる「言葉狩り」で終わってしまうのでなく、「障害」「障がい」「障碍」どの表記にするかは個人の判断に委ね、「障害表記」を考えることで障害者問題の本質の解決につながるきっかけとなってほしいと語られました。


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高田短期大学 キャリア育成学科介護福祉コース・介護福祉研究センター 助教・研究員 長谷川 恭子さん 

講演2では、キャリア育成学科介護福祉コース・介護福祉研究センター  助教・研究員 長谷川 恭子さんを講師にお迎えし、生涯を通じて最後まで自分らしく活動的にいるためには何を心がければ良いのかについて、介護予防の必要性や本質を音楽療法の要素も交えながら実践的に教えていただきました。


介護予防が目的ではなく、元気でいたいのは何をしたいためなのかと考えることが大切だと語られていました。

まず、そもそも「介護予防」とはなにかについて触れられ、近年注目されている「健康寿命」についての日本の現状について他国と比較しながらご説明いただきました。
そして、介護が必要になる大きな原因である「転倒」を例に、高齢者の身体の特徴として「縮む・歪む・乾く」を挙げ、その問題を解決するための手段として「伸ばす・バランス力・潤す」が重要だと語られました。
その為の体の動かし方や音楽療法の一環として、体操や先生自らが演奏した三線の音楽に合わせて歌を歌うなどを受講生の皆さんも実際に体験されました。


参加者の声

  • 表記にこだわらず障がい者が住みよい社会になってほしい。
  • 無意識に使っていた障害(がい)。過去に遡り検討されてきた経緯。今回改めて一言一句について考えてみたいと思う。
  • 障害の表記について、国の方針・県市町の対応がわかってよかった。
  • 日常生活の中で体を動かす意識づけを学ばせていただきました。
  • のど回りの筋肉のきたえ方 是非実行したいと思います。
  • 縮む・ゆがむ・かわく ことのないように気をつけて元気でいたい。健康寿命を延ばしたい。