みえアカデミックセミナー2018 放送大学三重学習センター公開セミナー
「 ふんわり香りの化学 」の事業報告

開催日
2018年8月10日(金曜日)
開催場所
三重県文化会館1階 レセプションルーム
開催時間
13時30分から15時15分まで
講師
放送大学三重学習センター 所長 清水 真 さん
参加人数
100名
参加費
無料

「みえアカデミックセミナー」は県内の大学・短大・高専・放送大学を含めた高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。毎年7月~8月(2018年度は7月14日~8月23日)にかけて、三重県総合文化センターを会場に各校1日程ずつ、選りすぐりの先生に、ご専門の研究内容をわかりやすくお話ししていただいています。
前身となる「みえ6大学公開講座」から既に20年を超え、「みえアカデミックセミナー」としては、15年目を迎えました。
これからも皆さまに、たくさんの「学び」をお届けしていきたいと思います!

放送大学三重学習センター 所長 清水 真 さん

第11回目の放送大学三重学習センター公開セミナーでは、所長 清水 真さんを講師にお迎えし、私たちの生活空間に溢れている「香り」について、どのように活用してきたのかという歴史や文化、特徴・効果、さらに香りの成分の合成法などについて分かりやすく、時に専門的に説明していただきました。

まず「有機化学」「有機化合物」とは何かということから解説していただき、私たちの日常にある「有機化合物」がどのような構造で成り立っているのか様々な元素記号の配列をご紹介いただきました。そこから、「フレーバー」と「フレグランス」の違いについても触れられ、洗剤などの日用品は高級な「香り」を付けると売れず、石鹸などの庶民的な「香り」の方が好まれる傾向にあると豆知識も披露されました。

西洋と東洋の「香り」文化の違いについても解説され、そもそも私たちは何を「におい」と感じて判断しているのかについて二酸化炭素の「におい」を人間は感知できないが、マウスは感じることが出来るとおっしゃられました。つまり、すべての「におい」を感じることが出来るわけではなく、鼻の嗅細胞が受け取ることができて、脳に信号を送ることが出来る物質が「におい物質」であると説明されました。また、長持ちするガムの秘密やかき氷のシロップの意外な事実をご紹介いただき、味覚の80%が実は鼻(におい)で感じているものだとお話しされました。その上で、香料の研究を通して将来的に補聴器のように「におい」を補える機械の開発を目指したいと語られました。

  • セミナーの様子

  • 当日は実際に香料のサンプルを持ってきていただき受講生の方に嗅いでもらったりしました

  • セミナー終了後、個別質問をされる受講生の方もみえました

参加者の声

  • 香料というのは古くから存在し、非常に私たちの生活と深いかかわりがあるのだということがわかりました。
  • 香りと科学のおもしろさの一端を伝えていただきありがとうございました。科学は難しい!と思っていましたが先生が“おもしろいですね”と言われるたび、はまる喜びを感じることができました。
  • テイスティングできたのが、よいアクセントで楽しかったです。前にニューギニア産バニラを買いました。貴重と知り、大切にしようと思います。ありがとうございました。
  • 化学と聞くと化学記号を思い出し、苦手な科目であったことを思い出しました。しかし本日改めて先生のお話を聞くことで、身近な生活の中にたくさんの有機化学の世界があることを学習できました。
  • におい物質を混合物として嗅いだ感覚と単独で嗅いだ時の感覚の足し合わせがちがうことにおどろいた。においとはただ合わせればよいというものではないということがわかりおもしろかった。地域のにおいがあるということがとてもおもしろかった。