講座ボランティア企画 シリーズ文学(2回連続講座)
【江戸川乱歩の世界~うつし世は夢、夜の夢こそ まこと~】の事業報告
司会や受付など講座ボランティアの方々が主となって運営する「シリーズ文学」は、今年で16回目を迎えました。今回のテーマは名張で生まれ、2歳まで亀山で育ち、若き日に鳥羽に勤めた江戸川乱歩です。
第1回目(3月4日)は、まず、略年譜に沿って乱歩の生涯について解説が行われました。病弱で夢幻の世界に魅せられた少年時代を過ごした乱歩は様々な職を転々、放浪しながら40歳までに46回の引っ越しを繰り返したそうです。講師は、乱歩を創り出した要素をエピソードを交えながら解りやすく説明します。この日は『二銭銅貨』『D坂の殺人事件』『屋根裏の散歩者』『人間椅子』の作品が取り上げられました。
第2回目(3月11日)は、まず、参加者の方から講師へ贈られた名張のお菓子「二銭銅貨せんべい」が紹介されました。この日取り上げられたのは『鏡地獄』『パノラマ島奇譚』『人でなしの恋』『押絵と旅する男』の4作品。前回と同様、講師が朗読する時は、会場の照明が落とされました。これは文学の世界に集中してほしいというねらいがあります。情感あふれる講師の朗読、BGM、イメージ画像が合わさった乱歩のおどろおどろしい世界に魅せられていたことは照明が明るくなった時の参加者の方々の表情が物語っていました。その後は全員での「群読」。目で追うだけでなく、実際に声に出してみることで、多くの感覚を使いながら乱歩の世界を味わいました。
受付前では講師著書の販売や男女共同参画センター「フレンテみえ」の情報誌へ今年度連載された記事の展示が行われました。
- 朗読すてきでした。特に「人でなしの恋」。
- 『パノラマ島奇譚』は今ラジオでやっている朗読より雰囲気がでていた。
- 先生の朗読には毎回聞きほれております。昔吟味する事なく読み過ぎていたものが今生々しくよみがえり小説の奥深さをしみじみかみしめています。
- 乱歩は少年探偵団や明智小五郎なんか探偵作家としか思っていませんでしたが人間の中に潜む心理を行動の中心に据え、また推理を生かせるという緻密なストーリーで読む者の興味を飽きさせない素晴らしい作家であることを知りました。
- 毎回楽しく講座に通わせていただいています。新しい発見をする講座、次回も期待し待っています。忘れていた郷土の作家を誇らしく感じた時間でした。