楽楽平家琵琶塾~諸行無常の世界~の事業報告
日本の伝統芸能を楽しく学ぶ「楽楽(らくらく)シリーズ」。今回は800年続く伝統芸能「平家琵琶」を解説と演奏で学びました。
第1部では、文学博士の林和利さんに、「平曲」と『平家物語』と題してご講演いただきました。『平家物語』というのは、盲目の琵琶法師が琵琶の演奏と共に語っていた「平曲」を書き留めた「語り本」が『平家物語』の始まりであるというお話しや、平家の怨霊を鎮めるために仏教的思想から僧侶でもあった琵琶法師たちが語り始めたこと、平曲の源流は仏教音楽の声明にあるのではないかということなどをお話いただきました。
そして、第2部では名古屋において継承されてきた唯一の盲人伝承者今井検校勉さんに「那須与一」を語っていただきました。平曲独特の節で朗々と語る力強い声に参加者のみなさんも熱心に聞き入ってみえました。
第3部では、林さんと今井さんによる対談があり、幼少時代の厳しい修行のお話や、耳で覚えることの大事さ、また「平家声」という一般には知られていないことなど様々なお話が飛び出しました。最後には客席からの質疑応答もあり、時には笑いを交えながら和やかに進んでいきました。
現在今井検校の後継者はいらっしゃらないため、本格的な平曲の語りを聴ける貴重な機会となりました。
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第1部 林和利さん
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第2部 今井検校勉さん
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第3部 対談
- まるで目の前に映像が浮かんでくるようでした。つやのあるすばらしい声で長い歴史が伝わってきた。感動がよみがえりました。
- 諸行無常の世界にどっぷりひたらせて頂きました。感謝感激です。ありがとうございました。
- 林先生の解説も今井検校の平曲もすばらしかったです。第3部の対談もとても良いものでした。知らない世界を少しだけ垣間見ることができました。ありがとうございました。