みえアカデミックセミナー2017
移動講座(松阪市会場)
ユマニテク短期大学公開セミナー
「児童文化としての絵本と紙芝居を考える」の事業報告

開催日
2017年12月1日(金曜日)
開催場所
松阪市嬉野公民館2階大会議室
開催時間
15時00分から16時00分
講師
ユマニテク短期大学 幼児保育学科 教授 川勝 泰介 さん
参加人数
63名
参加費
無料

毎年度夏に県内の高等教育機関と連携し、三重県総合文化センターで開催している公開セミナー「みえアカデミックセミナー」。秋からは、更に各市町が加わり「みえアカデミックセミナー移動講座」として出張講座を開催しています。今年度は、紀北町、松阪市、鳥羽市、桑名市、尾鷲市の5市町での開催です。

みえアカデミックセミナー2017移動講座(全5回)の第2回目は、ユマニテク短期大学・松阪市教育委員会と共催して松阪市の会場にて開催しました。

読みきかせにはまず、子どもが何を面白いと感じるのか大人が知り、どんな絵本や紙芝居があるのかを探して、目的によって選ぶことが大切と説明されていました。

絵本と紙芝居は、ともにことばと画像をともなった児童文化財です。しかし、このような共通の要素をもつ絵本と紙芝居ですが、そこにはまた異なった歴史があります。それぞれの歴史を探りながら、それらのもつ意味と役割を児童文化の観点から考えるとともに、その違いを通して、子どもたちに絵本を読み聞かせたり紙芝居を演じる際の作品選びや演じ方のヒントについて紹介していただきました。

「児童文化」の考え方は、時代によって「子どもが作り出す文化」から「大人が子どもに与える文化」に変化していったことを紹介され、大人を中心とした「言葉の世界」は経験の少ない子どもにとってイメージがしにくく、子どもの想像力を補う「絵」がある絵本や紙芝居は重要な役割を果たしていることを説明されました。

 
低年齢の子どもは知っていることを絵本で見つけることに興味を示し、高学年になると自分の知らない新しい世界を発見することに興味を示しだすと説明され、熱心にメモを取られている受講生の方もみえました。

紙芝居は「芝居」として演じることが必要で、絵本の読み聞かせの際は感情を込めて演じようとせず、子どもに対して読むことに徹することがコツだと読みきかせとの違いを説明されました。そして、実際の絵本を基に様々なタイプの絵本があり、それぞれどんな意図があるのか紹介されていました。
最後に絵本も紙芝居も子どもの想像力を補うためのもので、子どもたちの実際の体験があって初めて活きてくる教材なので公民館でも家でも読みきかせをする際は子どもたちの実際の体験を豊かにするサポートをして欲しいと受講生のみなさんに伝えられこの日の講義は終了しました。


 

紙芝居をしているイラストを基に、紙芝居をする際の注意点など実践的な内容についてもお話しいただきました。
先生が実際にお持ちになった色々な絵本を見たり手に取ったりしながら質問も活発に行われていました。
 

参加者の声

  • 絵本や紙芝居について考えることはありませんでしたので参考になりました。図書館で見直してみたいと思います。
  • 公民館で絵本にとりくんでいるので大変参考になった。ありがとうございました。
  • 自分のまったく知らない世界をくわしくおしえていただきとてもおもしろかったです。これからに活かせます。ありがとうございました。