三重県埋蔵文化財センター共催【武器と戦の歴史 ―古来、日本人は斯く戦えり―】の事業報告

開催日
2017年11月11日(土曜日)
開催場所
三重県生涯学習センター2階 視聴覚室
開催時間
13時30分から15時20分
講師
竹内 英昭 さん (三重県埋蔵文化財センター)
参加人数
105名
参加費
無料
共催
三重県埋蔵文化財センター

 今回のまなびぃすとセミナーは【武器と戦の歴史-古来、日本人は斯く戦えり-】と題し、三重県埋蔵文化財センターの竹内 英昭さんにお話しいただきました。三重県蔵文化財センターが「公開考古学講座」として、年間5回開催されているうちの1回を、特別講座として三重県生涯学習センターと共催し、この総合文化センターを会場に昨年に引き続いて開催しました。

 模造刀を使った弯刀の説明

前半は武器の定義やその種類と特徴、歴史について、また、それらの武器がそれぞれの時代によってどのように使用されたかお話しくださいました。刀は奈良時代までは直刀、平造りが一般的で儀式や装飾に使われたそうですが、その後、「斬る」実戦向きに反りをもつ弯刀が一般的となり、現在の私たちが想像するいわゆる【日本刀】のスタイルは平安時代以降に確立されたとのことです。昨今、刀剣ブームと言われますが、参加者の方がレジュメの図に書き込みをしたり、ご自身のノートにメモを取ったりする様子が多く見られました。

後半は戦の歴史について説明がありました。古代から南北朝期の合戦は、弓矢の応酬が主体で一騎打ちや白兵戦で終わることが多かったとのことで、これは馬上で戦うには日本人の筋力が足りなかったことによるものと考えられ、保元・平治の乱(1156年)以降、騎馬隊や足軽を使った戦国大名による集団戦へと変化し、大砲なども使われるようになったそうです。そして、幕末から明治維新の合戦では、西洋式の軍備が輸入され、鉄砲主体による厳格な指揮系統で組織された軍隊の近代化がなされたとお話がありました。

 ご自身のノートにメモを取っている方も多くみえました

質疑応答の時間では「鳥羽・伏見の戦いで使われたのは破裂砲だったのか?」や「武器だけでなく、馬も戦にとって重要な働きを果たしてきたと思うが、馬の役割の歴史について研究はなされていないのか?」など、深く斬り込んだ質問があり、この分野への興味・関心の高さが伺えました。

 熱心に聞き入る参加者の皆さん

 質疑応答の様子

 

 

参加者の声

  • 弥生時代~幕末という長い時間の戦い・武器の話でしたがとてもわかりやすい話で良かったです。
  • すっごくよくわかった!資料も見やすかった。資料にそって、詳しく説明してくださった。武器と戦法の自然な変遷がよくわかった。今まででいちばんすばらしい講座だった。講師がよく準備してくれていた。
  • 武器と戦の歴史、現代に於いて兵器は格段の発達をしているのに考えていることはあまり変わらない?もっと歴史を学ばねばと思いました。