講座ボランティア企画「第64回名盤を聴く ジネット・ヌヴー特集」の事業報告

開催日
2017年11月4日(土曜日)
開催場所
三重県生涯学習センター2階(三重県総合文化センター) 視聴覚室
開催時間
13時30分から15時20分
講師
梶 吉宏さん(三重県文化会館 館長)
参加人数
74人
参加費
無料

講座ボランティア企画 「第64回名盤を聴く」僅か30歳でその生涯を閉じながらも、“真の芸術家”と語り継がれる女流ヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴーの特集です。

フランスで生まれたジネット・ヌヴーは15歳の時、ワルシャワの第1回ヴィエニャフスキ国際コンクールでは大差で1位に輝き、彼女より11歳年長のダヴィッド・オイストラフは妻への手紙に、「2位になれて満足してるよ。ヌヴー嬢は“悪魔のように”素晴らしかった……彼女が1位にならなければ、それは不公平というものだ」と書いたほど、早くから高く評価されていたそうです。

梶館長より、スークのブルレスクでは早弾きの技術の高さ、ブラームスのヴァイオリン協奏曲では、その燃えるような力強さ…といったようにヌヴーの幅広い芸術性が紹介され、強い眼差しで指揮者を見つめながらショーソンの詩曲を演奏する貴重な映像を鑑賞した後、同じ曲を違う音源で聴いてみるという、趣向を凝らしたプログラムで講座は開催されました。

 指揮者を見つめるヌヴー

今回の講座では、梶館長から参加者の方へ「想像しながら聴いてみてください」と話されたことが2回ありました。まずは、古い音源には「パチッ、パチッ」という音が時として入りますが、雑音と捉えず、その背景にある時代を想像してみる、そして、映像を見た後は、その強い眼差しをイメージしたまま聴いてみる、というものです。耳だけではなく、脳でも聴くことでより深く鑑賞できることがわかりました。

参加者の方からは「ヌヴーのことは知らなかったが、素晴らしい演奏だった」という声を数多くいただきました。

 ◆プログラム◆

1.クライスラー:グラーヴェ  ハ短調

(ピアノ)ブルーノ・ザイドラー=ヴィンクラー(1938年  ベルリン  録音)

2.ラヴェル:ツィガーヌ

(ピアノ)ジャン・ヌヴー(1946年  ロンドン  録音)

 3.スーク:ウン・ポコ・トリステ(4つの小品 Op.17第3曲)

 4.スーク:ブルレスク(4つの小品 Op.17第4曲)            

      (ピアノ) ジャン・ヌヴー(1948年 ロンドン  録音)

5.ショパン(ロディオノフ編曲):夜想曲 第20番 嬰ハ短調 遺作

    (ピアノ)ジャン・ヌヴー  (1946年  ロンドン  録音)

6.映像

7.ショーソン:詩曲 Op.25

     指揮:シャルル・ミュンシュ  /フィルハーモニック交響楽団  (1949年)

――――  休    憩  ――――

8.ブラームス:ヴァイオリン協奏曲  ニ長調 Op.77

     指揮:ハンス・シュミット=イッセルシュテット / 北ドイツ放送交響楽団(1948年 ハンブルク )

参加者の声

  • 熱演するバイオリンの曲が目をふせていると、近くで聴いているようで良かったです。
  • この講座がなければ、これ程の名演奏に接する機会はなかったと思いありがたいです。
  • すばらしくきれいなヴァイオリニスト。全然知らなかったアーティストでしたが、力強い音色に圧倒。感銘を受けました。惜しまれる死。