【海底のタイムカプセル 沈没船遺跡の謎に迫る!~水中考古学入門~】の事業報告

開催日
2017年10月21日(土曜日)
開催場所
三重県生涯学習センター3階(三重県総合文化センター内)まなびぃ場情報コーナー「みるシル」
開催時間
18時30分から20時00分
講師
木村 淳 さん(東海大学海洋学部海洋文明学科 特任講師)
参加人数
74名
参加費
無料

まなびぃ場情報コーナー「みるシル」で行う【はじめてのナイトみるシル講座】。現在、Miemu(三重県総合博物館)で開催中の「発掘された日本列島2017 新発見考古速報」の展示にも携わっている東海大学海洋学部海洋文明学科 特任講師の木村 淳さんに考古学の一分野である水中・海事考古学、特に沈没船遺跡についてお話しいただきました。 

 

 会場は深海をイメージして天井に水中の映像を投影しました

海をイメージしてジャケット、シャツ、パンツ、ループタイまですべてブルーで統一した爽やかな装いで登場した講師の木村さん。ご自身のプロフィールを振り返り、実際に水中で撮影した写真、その時々でのエピソードを交えながらわかりやすく、水中考古学、沈没船遺跡について説明してくださいました。元々、その始まりは古代地中海の交易船の発掘に遡るそうです。

また、アジアについて見れば、商人が往来していたユーラシア大陸の内陸部を結ぶ東西の陸上交易路「シルクロード」に対し、商船が行き交う海上交易路「シルクルート」が存在していたとのことでした。

 発掘の際のエピソードを交えながらお話しくださいました

8~9世紀の頃、中国製品は世界のあこがれで、その技術を模倣したいという風潮があったそうで、博多鴻臚館で見つかった壺とインドネシア沖で沈没した中東の商船から出土した壺が似通っていること等、実際の写真資料の比較によって示されました。

そして講座の後半では、沈没船からの実際の発掘物から3Dプリンターで製作されたレプリカを参加者の方が実際に手で触れることで、水中考古学の世界を身近に感じていただきました。

質疑応答では、たくさんの方の手が挙がり、10代の学生さんからも「どのくらいの時間潜るんですか」というかわいい質問もありました。

超大型の台風が接近しているにも関わらず、講座に足を運び、耳を傾ける参加者の熱心さに講師・木村さんも驚いておられました。

 ご家族で参加くださいました

 自前のウェットスーツであいさつする長島所長

参加者の声

  • 考古学の認識が変わりました。海中がどういう所かも色々な古の歴史ロマン、こんな角度からも学べ、まだまだ未知な所もあるでしょうが、とても興味深く聴けました。
  • 古代の海の歴史のロマン世界に引き込まれました。台風が近づいている現実を忘れて、少し映画をみたあとのような静かな感動を覚えました。
  • 沈没船遺跡、初めて詳しくお話が聞けました。分かりやすい説明でしたし、とても興味深かったです。レプリカを見せていただいたものも良かったです。
  • 大変おもしろいお話しで楽しくお聞かせいただきありがとうございました。夢のあるお仕事、今後ともご活躍ください。