みえアカデミックセミナー2017
鈴鹿大学短期大学部公開セミナー
「認知症予防に音楽を利用する~運動とリズム~」
についての事業報告
「みえアカデミックセミナー」は県内の高等教育機関との連携で生まれた公開セミナーです。毎夏、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ、選りすぐりの先生に少し高度な学習をわかりやすくお話ししていただいています。2017年度は新たに1校を参加校に迎え、全15日程開催しています。前身となる「みえ6大学公開講座」から既に20年を超え、「みえアカデミックセミナー」としては、14年目となります。今後も皆様に期待していただけるようなセミナーをお届けしていきたいと思います!!
第5回目の鈴鹿大学短期大学部公開セミナーは、音楽療法士でもある生活コミュニケーション学科 教授 鵜飼 久美子さんを講師にお招きし、音楽のリズムを活用しながら体を動かすことが人間の脳にどのように刺激を与え、認知症を予防できるのか先生の体験や、実技を交えて講演いただきました。

認知症の患者数は年々増加傾向にあるとのことで、2012年に既に三重県の人口よりも多い462万人の患者がいて、2025年には65歳以上の5人に1人は認知症になると推測されていると日本の現状について説明があり、他人事ではなくなる将来に受講生の皆さんは真剣に先生の話に耳を傾けられていました。
2.認知症予防
認知症を引き起こす原因には、不規則な生活や運動不足が考えられることから、予防のために重要なことは「生活習慣病を放置しない」「適度な運動」「栄養バランスのとれた食事」「活発な日常生活」の四点であり、「生活の質・生命の質」を高めることが大切であり、そのために音楽によって心身の活性化や認知機能の刺激につながると先生は語られました。
3.高齢者のための音楽療法
音楽の刺激は記憶力と感情部分の脳の活性化につながるということで、実際の音楽療法で認知症の患者さんにどのような変化がみられたのか、先生の研究映像を元に説明がありました。

音楽の三要素「律動(リズム)」「旋律(メロディ)」「和声(ハーモニー)」の中でリズム機能は、人間の最後まで残る機能で、重度認知症でもリズムを打つことが出来るとのことで、リズム機能が最も基本で重要な要素あると語られました。その体験として、受講生の方全員がトーンチャイムとベルを持ち、リズム演奏に挑戦しました。先生から、タイミングの指示の説明があった後、演奏を開始しましたが楽器の澄んだ音が会場に広がり、演奏に参加した受講生の皆さんも感動していました。
認知症の予防として、認知機能を保持・改善することは運動でできると説明され、音楽と運動を組み合わせた活動を紹介されました。そして、運動と脳のメカニズムのを説明されこの日の講義を終えられました。


- 音楽療法を初めて知りました。今後の「認知症サポート」活動に役立てたいと考えます。大変勉強になりました。ありがとうございました。
- 認知症予防、とってもいい勉強させていただきました。認知症が身近にいなかったのでTVやマスコミの情報などでしかわからないけれど明日は我が身の年齢にさしかかりとてもいい勉強になりました。ありがとうございました。
- 歌を歌いベルを鳴らし、音楽とともに心が開放されたような感じがしました。
- すごく分かりやすかったです。会場の一体感が良かったです。音楽療法に非常に関心があります。
- 楽しい時間を過ごさせてもらいました。元気な先生の笑顔が素晴らしかった。