みえミュージアムセミナー斎宮歴史博物館「祟り、祟られ、化け、化かされ ー災いはモノノケとともに?の事業報告
斎宮歴史博物館で開催中の平成29年度特別展「災いはモノノケとともにー病気から天変地異までー」に併せて、斎宮歴史博物館の船越重伸さんに「祟り、祟られ、化け、化かされー災いはモノノケとともに?-」と題してお話いただきました。
時や場所を選ばずに起こる出来事は、人々を恐れおののかせ、その原因をモノノケの仕業とする時代があった。絵巻などでも九尾の狐や奇怪な生き物などの絵が残されている。また、科学が発達していなかった時代は、地震や雷といった自然現象、異常気象、流行病などの原因も、災いの正体をわかりやすい姿で現す手段として疫病神やモノノケの仕業としたそうです。
続日本紀の中には、元斎王の井上内親王が夫の光仁天皇を呪詛しようとして皇后の位をはく奪されたため、祟ったという記録も残されており、権力闘争は怨霊を産みやすいと説明されました。
多くの資料を示しがら、災いがモノノケや怨霊の仕業であると信じていた時代の記録を解説されました。『古今著聞集』では、伊勢国別保(現在の津市河芸町周辺)で頭は人のようでありながら、歯は魚のようで猿に似て、体は魚であるという、人魚のようなものが網にかかった。という記録もありますと説明されると、客席からも驚いた声があがっておりました。
1階では、関連パネル展示も行われており、講演後に改めて展示の作品をじっくり見ていかれる参加者の方も多く見られました。
- 祟りや化け物から日本史をみてみると、以外と当時の人間らしいようすが分かって面白かった。
- 当時は真剣に祟り、化かされていて生活していたものと思う。大変良いテーマでのセミナーでした。
- おもしろおかしく歴史にふれる事ができて、大変よかった。是非ともこの続きを聞いてみたいと思います。本日はありがとうございました。