講座ボランティア企画「 第62回名盤を聴く ラファエル・クーベリック特集」の事業報告
講座ボランティア企画 「第62回 名盤を聴く」は、激動の時代に自らの音楽を貫き通したチェコの名指揮者 ラファエル・クーベリックを特集しました。
プラハ近郊で生まれたラファエル・クーベリックは、チェコ・フィルの指揮者に就任しますが、チェコの共産化に反発してロンドンに亡命、のちスイスに移住し、西欧やアメリカで活発に活動を続けました。1988年に引退しますが、翌年のチェコ民主化を受け、90年“プラハの春”音楽祭でチェコ・フィルを指揮してスメタナの「わが祖国」全曲を演奏し、奇跡のカムバックと絶賛されたのです。91年には同楽団と来日してこの曲を演奏、大きな感動を与えました。
今回はインタビューとリハーサルという貴重なシーンについても取り上げ、梶館長の解説を交えながらプログラムが進行されました。特に、1990年のスメタナ:連作交響詩《わが祖国》「モルダウ」では、強く訴えかけてくるような映像にクーベリックが生きてきた人生を重ね合わせているのか、参加者の方々が食い入るように見つめる姿が印象的でした。

第62回 プログラム ~ラファエル・クーベリック特集~ 1.モーツァルト:交響曲 第38番 ニ長調 K.504《プラハ》 第1楽章 アダージョ―アレグロ 第2楽章 アンダンテ 第3楽章 プレスト (1991年10月 プラハ スメタナホール:実況) 2.リハーサルとインタビュー スメタナ:連作交響詩《わが祖国》より(1990年5月) 3.1990年 《プラハの春》音楽祭 オープニング・コンサート・ライブ スメタナ:連作交響詩《わが祖国》 ①交響詩「高い城」 ②交響詩「モルダウ」 ③交響詩「シャルカ」 ④交響詩「ボヘミアの牧場と森から」 ⑤交響詩「ターボル」 ⑥交響詩「ブラニーク」 (1990年5月12日 プラハ スメタナホール:実況)
- クーベリックははじめて聴きましたが、感動しました。このような過去の優れた音楽家を紹介する機会は殆どないように思います。これからもますます発展されることを期待します。
- ”リハーサルとインタビュー”がとてもよかったです。クーベリック氏の人間としての姿を知ることができました。音楽への真剣なすべてをかけて、でもそれが自然に出てくるのが素晴らしいと思いました。
- 音楽のことはよくわからないですが、亡き妻と旅をした、プラハの美しい街が目に映り、目頭があつくなりました。歴史に翻弄されたこの街を亡き妻の次に愛しく思います。今回は来てよかった。心がいやされた思いです。胸に隠した遺影もほほえんでいます。ありがとうございました。
- オーケストラが指揮者によって音楽がかわるということが本日の演奏によっても解りました。又、人生は愛が基本だと云ったクーベリックの言葉にも同感しました。愛を訴える芸術が最も人に感動を与えるものです。
- 演奏家が《わが祖国》をいかに理解して演じているか、プロの音楽家の真髄を聴かせていただきました。音を演ずる人としての姿勢を教えられたように思います。