みえアカデミックセミナー2016
移動講座(熊野市)
三重大学公開セミナー
「熊野信仰の特質」の事業報告

開催日
2016年9月4日(日曜日)
開催場所
熊野市文化交流センター 多目的ルーム
開催時間
14時00分から16時00分まで
講師
三重大学人文学部文化学科 教授 山田 雄司さん
参加者
91名
参加料
無料

 毎夏に県内の高等教育機関と開催している公開セミナー「みえアカデミックセミナー」に続いて、秋からは、更に各市町が加わり「みえアカデミックセミナー移動講座」として出張講座を開催しています。今年度は、名張市、熊野市、大台町、尾鷲市、菰野町、紀北町の6市町での開催です。

みえアカデミックセミナー2016移動講座(全6回)の第2回は、三重大学と熊野市教育委員会と共催し、熊野市にて開催しました。

 熊野信仰は日本の信仰を考える上で、最も重要な信仰であり、そこにはさまざまな側面を見出すことができます。日本の基層信仰をはじめ、仏教・神道・修験道、さらにはキリスト教までも受容した熊野の「寛容さ」「奥深さ」について紹介されました。

 信仰は時代に対応しながら変化し自然淘汰されるが、熊野は様々な信仰が重なりながら現在に至る点で珍しい地である、熊野信仰は、神仏習合の特質から浄土信仰と観音信仰など現在の日本人の信仰原点となる信仰がすべて揃っており、日本の文化を知る上でも重要な地と考えられるとし、巨岩信仰や海との関わり、那智の滝、熊野三所権現について話されました。 

熊野参詣を誘う絵解き図「熊野那智参詣曼荼羅」とキリスト教などの信仰をモチーフとする「最後の審判(ミケランジェロ作)」との共通点にも触れ、誰をも受け入れる熊野信仰の特質と世界の文化との関係性に展開された興味深いお話に会場の皆さまも熱心に聞き入っておられました。

「熊野市民大学」との共同開催は今回で4年目となります。菰野町や津市などからもご参加いただき、地元の皆さんの熊野への誇りにも触れることができた講座でした。 

参加者の声

  • 大変理解しやすくお話いただき参加させていただきよかったと思います。神や霊が石に降りるとは興味が湧きました。
  • 熊野信仰が身近に感じられて興味深く、日常の生活の疑問が解けて、良い勉強をさせていただき、ありがとうございました。
  • 本宮や速玉、伊勢神宮など、参詣道の信仰について、本日お話を聞かせていただきありがとうございます。絵解き、又、聞きたいです。
  • 大変わかりやすかったです。とても感動するお話を有難うございました。今まで分らなかった事がわかりました。