みえアカデミックセミナー2015
移動講座(桑名市会場)
三重県立看護大学公開セミナー
「認知症について考える」の事業報告

開催日
2015年11月22日(日曜日)
開催場所
桑名市中央公民館 大研修室
開催時間
10時00分から11時30分
講師
三重県立看護大学 老年看護学 教授 小松 美砂 さん
参加人数
80名
参加費
無料
共催
三重県立看護大学・桑名市教育委員会

日本では、65歳以上の約7人に1人が認知症であり、今後さらに増加するといわれています。認知症を少しでも予防し、健康で長生きするためにどのような生活を送ればよいか、また、認知症の方とよりよい関係を築くための接し方や介護のあり方についてお話いただきました。

前半は、三大認知症(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症)のそれぞれの特徴や、初期症状と普段のもの忘れとの違いなどについて、また参加者で日常生活の様子から認知症の自己チェックのあと、認知症は病気である、なるべく早く受診し発見することが大切ともお話されました。
後半は、具体的な行動障害の症例を通して、認知症高齢者への接し方や声かけの仕方(コミュニケーション)の8つのポイントについて詳しく解説されました。症状は必ず出るものとそうでないものがあることや、それぞれの行動障害においてもその人なりに意味や理由があること、人格を尊重しその人らしさを大切にするケアが必要である等、話されました。 

①話の内容を受けとめる(→その人にとっては事実)
②騒音を少なくし静かな環境で話す
③目線を合わせる(→安心感に繋がる)
④認識に残るよう同じ言葉を使う
        (→短期記憶が活性化するケースがある)
⑤行動を段階的に進める(→一部分はできることがある)
⑥頑なになっているときは、注意をそらす
        (→固執しなくなる)
⑦どうしたら安心してもらえるか考える
⑧笑顔を大切にする
                 (→何気ないことが今後に影響をもたらす)
 

最後に、認知症の人たちの心理的ニーズ(自分が自分であること、結びつき、くつろぎ、たずさわること等)にも触れ、認知症をもつ人が、これまで生きてこられた人生を尊重され、生き生きとした毎日をその人らしく過ごすことのできる社会に・・・と締めくくられました。
参加者の皆様も熱心にメモをとられる姿が多くみられ、また講演後も質問がとても活発でした。



参加者の声

  • 認知症についての対処法、考え方が以前と随分違っていることを日頃から感じて居りましたけど、本日のお話しで更に理解を深めることが出来ました。
  • 発症の原因は遺伝的要素と思っていた事、大間違い。認知症は病気であると教えてもらい発症を抑える、遅らす生活に努めます。
  • 三大認知症の症状の特徴や認知症の早期発見の大事さ等、詳しく説明されたので、日常生活を一日でも元気で笑顔の毎日にしたいと思います。よい勉強になりました。ありがとうございました。
  • 本人の気持ち、話をできるようにすることが大切であることを知りました。ゆっくりした環境で接することを大切にします。
  • 一番聞いていてよかったのは接し方、声の掛け方がよくわかりました。接し方ひとつで、認知症の人の心が安らぐようにしたいです。
  • 認知症の理解ができました。行動に意味があるということが解ってよかったです。どうしてこんな事を言うの?するの?と思っていたからです。本人に寄り添って聞くことが必要だったとわかりました。