みえアカデミックセミナー2015
三重県立看護大学公開セミナー
「予防医療に貢献する中高年齢双子の研究
-双子の研究から見える長生きの秘訣-」の事業報告

開催日
2015年8月6日(木曜日)
開催場所
三重県文化会館 レセプションルーム(三重県総合文化センター)
開催時間
13時30分から
講師
三重県立看護大学 学長 早川 和生 さん
参加人数
75人
参加費
無料

  「みえアカデミックセミナー」は県内の高等教育機関と連携で生まれた公開セミナーです。毎夏、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ全 14回の日程で、各校の選りすぐりの先生に少し高度な学習をわかりやすくお話ししていただいています。前身となる「6大学公開講座」から振り返りますと、 今年で20年目になります。今後とも皆様に期待していただけるようなセミナーをお届けしていきたいと思います!!

第12回目の8月6日(木)は、三重県立看護大学の公開セミナーを開催しました。

「予防医療に貢献する中高年齢双子の研究-双子の研究から見える長生きの秘訣-」

 三重県立看護大学 学長 早川 和生 さん

日本の国民総医療費は年々増加し、既に40兆円に達しており、国民負担の軽減に向けた予防医療の進展が期待されています。中高年齢に達した双子の研究が果たす予防医療上の有益性について、また、国際的な動向についても具体的にお話しいただきました。

同じ遺伝子情報を持つ双子は生まれた時にはそっくりですが、中高年齢になるとそれぞれの生活環境やライフスタイルによってずいぶん健康度に差が出てきます。双子を研究することで、このような差が遺伝によるものなのか、環境によるものなのか等を分析でき、予防医療にも役立てようとしているそうです。

昔の日本ではネガティブな感情から引き離されることが多かった双子も、西洋では縁起が良いとされていたり、双子が生れる割合にも人種差があり、日本の双子率は50人に1人程度で少ないとされているなど、世界との違いなどについてもお話しくださいました。また、一卵性といえば全てが同じのような印象を持ちがちですが、生育期の環境因子や心理的な影響が性格や容姿に違いを生じさせ、その違いは男性のほうが大きく見られるお話や、健康面においても、遺伝子レベルで受け継がれるものと違うものとが分類できれば、予防医療の分野にも大きな発展に繋がるという、今後に期待あるお話をしていただきました。会場にも、ご本人自身や近親者が双生児という方がおられたり、また人は誰しも双生児だったかもしれないという驚きのお話に、より関心をよせてお聴きになられたようでした。 

参加者の声

  • 人間も本当は双子が多く、途中で一方が消えて一人が生まれてくるという話は初めて聞く話でびっくりしました。
  • 先生のお話はおもしろい。長生きするには、配偶者との関係によっても決まるとか。心豊かに元気に生きる。双子はやっぱり素晴らしい!!
  • 本日セミナーを受講して予防医療について詳しいことがわかりました。遺伝子と双子の関連性もよくわかりました。
  • 一卵性双生児でも成長によって違ってくるということは、環境要因によって、ヒトの成長は左右されるということを知った。
  • 健康は遺伝によらないものが多いことを知り希望がわきました。
  • 講座の冒頭で看護大学が多くの健康に関することに取り組んでいることを初めて知りました。勝手に学生の育成中心だけかと思っていましたが、県や地域の健康維持、増進にも力を入れている大学なんだと知ることができました。