みえアカデミックセミナー2015
皇學館大学公開セミナー
「戦国貴族の生き残り戦略」の事業報告

開催日
2015年7月19日(日曜日)
開催場所
三重県文化会館 レセプションルーム(三重県総合文化センター)
開催時間
13時30分から
講師
皇學館大学文学部国史学科 教授 岡野 友彦 さん
参加人数
191人
参加費
無料

  「みえアカデミックセミナー」は県内の高等教育機関と連携で生まれた公開セミナーです。毎夏、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ全14回の日程で、各校の選りすぐりの先生に少し高度な学習をわかりやすくお話ししていただいています。前身となる「6大学公開講座」から振り返りますと、今年で20年目になります。今後とも皆様に期待していただけるようなセミナーをお届けしていきたいと思います!!

第6回目の7月19日(日)は、皇學館大学の公開セミナーを開催しました。

「戦国貴族の生き残り戦略」

皇學館大学文学部国史学科 教授 岡野 友彦 さん

「戦国時代」というと、実力だけがすべてで、戦わないものは滅びるといったイメージが強いのではないでしょうか。しかしそのような時代、一度も「戦わず」に「生き残った」人たちがいました。彼らはどのようにして乱世を生き抜いたのか。その「苦悩」と「したたかさ」に迫ってお話をしていただきました。 

戦国時代を生き抜いたのは、戦国武将や一揆の民衆たちだけではありません。寺院や神社はもちろん、荒廃した京都で暮らす公家・貴族とよばれる人たちも、必死に生き残り策を模索していました。摂関家に次ぐ家格である清華(せいが)家の一つ、久我(こが)家に伝わった『久我家文書』に光を当て、生き残りをかけた戦国貴族の苦悩としたたかさを読み解いていただきました。特に、これまで重視されてきた文化的側面ではなく、経済的側面から、戦国貴族の荘園経営のあり方に注目した興味深いお話に満場満席の参加者の皆様も引き込まれ、聞き入っていました。

参加者の声

  • 久我家と伊勢国とのかかわりについて良くわかり面白かった。所領回復運動であったとの先生の説が面白かった。
  • 公家、貴族の戦国時代での生き様を知ることができ、新たな歴史として勉強になりました。武士にポイントではなく異なった視点からのものでよかったです。
  • その当時(時代)、背景を具体的にあげながらの講義でとても分かりやすく面白く聞けた。
  • 表面に出てこない公家、貴族の強さ(強かさ)に驚いた(逃げ惑ってばかりいると思っていた)。なるほど納得。大名と貴族の関係、結びつきが面白い。
  • 戦乱の中で、したたかに生きてきた貴族の有様がよくわかりましたし、それを利用した大名達。お互いに利用したり、だまし合ったり、スリリングですね。
  • なるほど、現実的に納得できる説だと思います。生き残り戦略は中央も地方も大変だったのですね!税収源の地方とのつながりが興味深いですね!地方再生にも使える発想かもしれませんね。又、女性が領主を選び戦ったというのも重要な事実だと思います。
  • 大変興味深く拝聴いたしました。教科書で見た活字の裏の面白さ、とてもわかりやすく、時間がとても、とても短く感じられました。高校での授業で今回の講座の様な講義が一説でもあったなら、歴史に興味と大勢の生徒を持て、高校の受験教科としてでなく、一生の学問ととらえたのではないかと思います。県内にこの様な講義をしていただける大学があるのだから、高校教育に取り入れられたら素晴らしいのではと思います。
  • 最後のまとめのおかげで、大体の内容が把握できた。久我氏がんばれ。(10代)
  • 勉強になりました。(10代)