みえアカデミックセミナー2015
鈴鹿工業高等専門学校公開セミナー
「両親媒性分子の自己集合-石けんから人工細胞まで-」の事業報告

開催日
2015年7月15日(水曜日)
開催場所
三重県文化会館 レセプションルーム(三重県総合文化センター)
開催時間
13時30分から
講師
鈴鹿工業高等専門学校生物応用化学科 准教授 高倉 克人 さん
参加人数
43人
参加費
無料

 「みえアカデミックセミナー」は県内の高等教育機関と連携で生まれた公開セミナーです。毎夏、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ全14回の日程で、各校の選りすぐりの先生に少し高度な学習をわかりやすくお話ししていただいています。前身となる「6大学公開講座」から振り返りますと、今年で20年目になります。今後とも皆様に期待していただけるようなセミナーをお届けしていきたいと思います!!

第4回目の7月15日(水)は、鈴鹿工業高等専門学校の公開セミナーを開催しました。

「両親媒性分子の自己集合-石けんから人工細胞まで-」

鈴鹿工業高等専門学校生物応用化学科          准教授 高倉 克人 さん

油に馴染みやすい炭化水素鎖に、水に馴染みやすい化学構造が結びついた「両親媒性分子」は、水中で会合して様々な形状の自己集合構造をつくります。両親媒性分子の構造と自己集合構造との関係や、身近な生活の中にみられる両親媒性分子の利用、両親媒性分子を用いた細胞増殖のモデルなどについて学ぶ機会となりました。

水にも油にもなじみやすい両親媒性分子が、生活用品や細胞モデルなどの中でどのように活躍しているかを、動画をまじえつつ、基礎となる乳化やエマルションの段などでは身近な食品や化粧品の状態に置き換えて丁寧に分かりやすくご説明いただきました。講演の中でもご質問にお答えくださり、「物質科学の観点から人工細胞を考える」など後半はやや難しいものでしたが、お人柄溢れる研究に対する情熱が伝わるお話しぶりに参加者の皆様も果敢に理解に挑む姿勢で聴かれていました。

参加者の声

  • 先生の研究に対する情熱が伝わってきました。
  • 化学には全く無知ですが、タイトルの“石けんから人工細胞まで”をみて、大変興味がわき参加させていただきました。普段の生活に役立っているんですね。環境、カラダに悪いイメージしかなかったのですが、これからは商品の成分表示を念入りにチェック!自分にはとても難しいセミナーでしたが、貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました
  • 内容的に難しかったのですが、わかりやすく説明していただき、わかりました。
  • 細胞分裂にベクシルの動的細胞モデルがあったことを初めて知りました。どういうエネルギーが使われているのかな?と思っていたからです。がん細胞だけ分裂できないように自己複製(ベクシルを構築しないように)することも可能では?と思いました。
  • 日常に使用している洗剤等にも油脂によって混ざりけがある場合等、我々の生活に役立っていることがわかりました。その他の乳化剤としてのはたらきがわかりました。
  • エマルジョンの名前は化粧品で見ていたのですが、成分内容がよく解りました。化学って難しいと思ってましたが、身近なことが多いですね。ありがとうございました!!