みえアカデミックセミナー2015
鳥羽商船高等専門学校公開セミナー
「次世代の交通スケジューリング」
「身近な放電現象~雷から身を守る~」の事業報告

開催日
2015年7月14日(火曜日)
開催場所
三重県文化会館 レセプションルーム(三重県総合文化センター)
開催時間
13時30分から
講師
鳥羽商船高等専門学校電子機械工学科 助教  脇坂 賢さん
鳥羽商船高等専門学校電子機械工学科 教授  古森 郁尊さん
参加人数
63人
参加費
無料

「みえアカデミックセミナー」は県内の高等教育機関と連携で生まれた公開セミナーです。毎夏、三重県総合文化センターを会場に、各校1日程ずつ全14回の日程で、各校の選りすぐりの先生に少し高度な学習をわかりやすくお話ししていただいています。前身となる「6大学公開講座」から振り返りますと、今年で20年目になります。今後とも皆様に期待していただけるようなセミナーをお届けしていきたいと思います!!

第3回目の7月14日(火)は、鳥羽商船高等専門学校の公開セミナーとして2つのセミナーを開催しました。

「次世代の交通スケジューリング」

    電子機械工学科 助教  脇坂 賢さん

コンピュータや情報通信技術の進歩に伴い、交通機関の運行管理や運行ダイヤ作成において、コンピュータが活用されるようになりました。 これにより、どのように便利になり、また今後便利になっていくのか、鉄道を例に裏話などエピソードを加えてお話していただきました。

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1.計画どおりに運行すること             2.コンピュータには難しい(1)           3.コンピュータには難しい(2)           4.コンピュータによるスケジューリングの活用

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「日本の鉄道の正確さに外国人はIt's crazyと表現するそうです。「日本人が『時間どおりに走る』ことを徹底する理由」、「組み合わせ最適化」について解説していただき、今後の社会の動向分析として、「高齢化から交通困難者の増加、人口減少による利用者の減少、少子化により小中学校の遠距離通学者が増加する」など挙げられ、今後の公共交通はどうあるべきか、交通機関の維持や問題点についても熱くお話していただきました。また、大変貴重な運行表の実物も併せてお見せくださいました。交通という身近な内容に参加者も関心を寄せて熱心に聴かれていました。

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「身近な放電現象 ~雷から身を守る~」

    電子機械工学科 教授  古森 郁尊さん

電気というものは、おとなしく止まってくれればゴミの吸引などに利用でき、私たちにそれほど悪さをしません。しかし、溜まった電気が動き始めると、劇的な現象を引き起こします。自然界で雷(気中放電)の発生につながります。雷から身を守るためにどうすれば良いかについてお話ししていただきました。

基本的な放電現象の種類に始まり、「電力機器が恐れる小さな『放電現象』」などについて、映像を交えてご紹介いただきました。「人間が恐れる大きな『放電現象』」としては、なぜ雷は発生するのかを段階的に詳しくご説明いただきました。高電圧現象の一つである恐ろしい雷の性質として「電気力線が多いところは電界が強く、よって電流も流れやすいため、結果的に高いところには雷が落ちやすい」そうです。また「雷から身を護るには、電気を通す金属で囲まれたところ(車、電車、橋の下など)に移動する」、しかし「身に着けた金属は無関係」、「自転車に乗って逃げるのは最悪!」など、目からウロコのお話もたくさん教えていただきました。また、電気といえば概ねエジソンを思い浮かべそうですが、「エジソンが推薦した直流(乾電池など)の性質は雷と同じで体の中を流れる、テスラーが推薦した交流(家庭用コンセントなど)は体の表面を走る、性質的には直流の方が危険」なのだそうです。雷からいかに逃れるか、また普段気に留めることの少ない電気現象や電気整備などの更に身近な危険からもいかに逃れるか、参加者の皆様もとても熱心で、講演後にも身を守る術についてたくさんの質問がありました。

参加者の声

  • 交通スケジューリングでダイヤ作成が大変な事だと思いました。雷についても非常に面白かった。
  • 鉄道と身近にあるので、非常にわかりやすかった。雷等から身を守ることがわかった。
  • 雷の話は身近な問題で非常に参考になった。
  • 全体的に専門的な内容であり、難しかった。しかし、講師の説明、話術は素晴らしかった。
  • スケジューリングの話は、身近な例をあげて、わかりやすく話してもらって、とても興味がわいた。雷の話もわかりやすく面白かった。
  • どちらの先生も丁寧に分かり易く話していただきありがとうございました。
  • 日本での鉄道時刻への思い入れは確かに外国の方から見れば異常かもしれません。日本に住んでいる私達には当たり前のことになっていますが、ダイヤ通りの運行への努力をされているスジ屋さんや鉄道会社の皆様を尊敬しています。
  • 質問者の方々の質問にも丁寧に答えていらっしゃったのが、印象に残りました。ありがとうございました。