みえアカデミックセミナー2015
移動講座(熊野市会場)
皇學館大学公開セミナー
「熊野権現と伊勢神宮」の事業報告

開催日
2015年9月12日(土曜日)
開催場所
熊野市文化交流センター 多目的ルーム
開催時間
14時00分から16時00分まで
講師
皇學館大学文学部国史学科 准教授 多田 實道さん
参加人数
96人
参加費
無料


 

 毎夏に開催している公開セミナー「みえアカデミックセミナー」に続いて、秋以降は、県内の高等教育機関と各市町、三重県生涯学習センターが共催して、「みえアカデミックセミナー 移動講座」を開催しています。今年度は、熊野市、大台町、桑名市、名張市、川越町の5市町で開催します。

みえアカデミックセミナー2015移動講座(全5回)の第1回は、皇學館大学と熊野市教育委員会との共催で熊野市を会場に開催しました。

熊野三山(本宮・新宮・那智)には、天照大神が、熊野三神と並んでお祀りしてあるのを御存知でしょうか。
これは一体なぜなのか。歴史を辿ってみますと、平安時代末期に、「熊野権現は伊勢太神宮なり」とする説が流行し、当時の貴族達を巻き込んだ大論争へと発展している史実に気付きます。
熊野三山の御祭神に天照大神が加えられたのは、どうやら、こうした伊勢太神宮・熊野権現同体説の流行に、端を発すると思われます。
今回の講座では、この論争に関してまとめられている『長寛勘文』という史料の分析を元に、時代の歴史背景をご紹介していただきながら、この謎について詳しく紐解いてお話しいただきました。

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1.熊野古道伊勢路-熊野三山と伊勢神宮を結ぶ道-

2.伊勢神宮とは

3.熊野権現と伊勢神宮

4.伊勢太神宮・熊野権現同体論争

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伊勢太神宮・熊野権現同体説を肯定する意見と否定する意見、また態度を保留する意見には、様々な立場の複雑な事情が絡み合っているようです。論争に発展した背景についても興味深いお話をしていただきました。参加者の皆様も熱心に聞き入られていました。

参加者の声

  • 資料を豊富に駆使して面白い話を聞かせてもらいました。
  • たいへんわかりやすく順序立てて話してくださったので、熊野三山と伊勢神宮の関係がよくわかりました。同体かそうでないか・・・興味がある内容でした。
  • 同体論の話しの進め方、引用文献など、たいへん興味深く大変面白かったです。
  • とても興味深いお話で基礎知識に欠ける私にもよくわかり、ありがとうございました。
  • ダイナミックな話の展開でした。ありがとうございます。地域の神々に更なる興味をいただくことができました。