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三重県文化会館の梶館長の解説でクラシック音楽の名盤を鑑賞する人気シリーズ。

～正統なドイツ音楽を継承した南米生れのピアノの巨匠～

クラウディア・アラウ特集 （1903－1991、チリ）

　チリの地方都市チリャンの生れ。言葉を憶える前からピアノ教師の母親の演奏を聞くうちに楽譜が読めるようになり、５歳のとき公開演奏会を開いて「チリのモーツァルト」と謳われます。１０歳のとき国から留学資金を得てベルリンのシュテルン音楽院に入学し、リストの弟子マルティン・クラウゼに師事。アラウをほぼ住込みの状態にして指導したこの教授は、彼に決定的な影響を与えます。６年後に恩師が亡くなると、アラウは精神的にも経済的にも苦境に陥りますが、その後は誰にも師事せず、いくつものコンクールや各国での演奏会で名声を確立。レコーディングにも積極的に取り組み、３９歳のときアメリカに拠点を移し、たちまち楽壇の寵児となります。その後も最晩年まで演奏活動を続けて、文字どおり巨匠となったのです。

  ６度の来日では、豊かな音色と生気に満ちた演奏で聴く者を魅了したのでした。

  アラウの遺した風格のある名演奏を、梶館長のガイドでじっくり味わいましょう。