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三重県文化会館の梶館長の解説でクラシック音楽の名盤を鑑賞する人気シリーズ。

～ソ連時代の「人間国宝」級大指揮者 ～ エフゲニー・ムラヴィンスキー特集 第二弾

（１９０３－１９８８・ソ連）

  帝政ロシアの有力な貴族の家で、法律家の父、声楽家の母との間に生れ、6歳でピアノを始めますが、1917年のロシア革命で財産を没収され、アパート暮しとなります。一般の大学に入学したのち、レニングラード音楽院に再入学し、作曲と指揮を学びます。

1938年に全ソ指揮者コンクールで優勝して稀有な才能が認められ、35歳の若さで名門レニングラード・フィルの常任指揮者に就任して、当時低迷状態にあった同楽団を超一流のレヴェルにまで鍛え上げました。以後50年、楽団と苦楽を共にしたのです。

彼のリハーサルは極めて厳しく、完璧さを目指したのですが、それでいて豊かな情感も併せ持ち、旋律をゆったり歌わせるなど、スケールの大きな演奏が持ち味でした。

大の飛行機嫌いでしたが、1973年の初来日以降は親日家となり、75年、77年、79年と隔年に来演して、多くのファンに強い感銘を与えたのです。

第19回に続き、彼の遺した名演を、梶館長のお話を伺いながら味わいましょう。