男女共同参画フォーラム~みえの男女ひと2010~
一人ひとりの働き方、生き方 2日目

開催日
2010年11月13日(土曜日)(2日目)
開催場所
三重県男女共同参画センター 「フレンテみえ」
講師
金谷 千慧子 さん

ワークショップ   

A 伝えたい“わたしたちのおもい”を発表!

講師:小川 真知子さん(西宮市男女共同参画センター「ウェーブ」専門職員
主催:三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」

小川さん

 フレンテみえ講座「私の“おもい”を発信したい!~子育て、暮らし、働き方など~」受講グループが「伝えたいおもい」を発表しました。本当に必要とされている子育て支援を必要としている人に届けることを目指して調査している「子育て」グループ。人生のあらゆる段階でさまざまな選択肢があることをゲームを通して伝えることを目指す「働き方」グループ。イベント企画から家庭で男女共同参画の話題につなげようと考えている「男性への情報発信」グループ。3つの企画が発表され、地域で活躍する方や参加者と和やかな雰囲気で情報交換されました。また、伊勢市、鳥羽市、志摩市で市民と行政が協働で取り組んでいる「男女共同参画のまちづくり」プランの事例紹介がありました。アドバイザーの小川さんは「地域に根ざした取組こそこれからの男女共同参画社会の実現に求められること。“おもい”をともにする仲間を増やし、活動を続けて欲しい。企画実現の報告を楽しみにしています」と締めくくりました。

B 女性を政策・意思決定の場へ -歴史と戦略-

主催:アイリス嵐山・男女共同参画みえネット・三重の女性史研究会

会場の様子

 政策・意思決定の場に女性があまりにも少ない三重の現状をふまえ、これまでの取組を歴史も含め提示しました。政策・意思決定の場に女性を増やすために今後、私たちはどう行動していったらよいのか話し合い、参加者からは「女性の政治参画スクールを」「市町議員から県議へのステップアップを」「若い女性への男女共同参画含め政治意識改革を」「女性議員が男女共同参画を進展させてこそ意味がある」などの意見が出ました。
 また、現職の議員たちからも「ステージを上げなければ女性の意見は取り上げられない」「お金を使う選挙はできない、後に続く女性たちのためにも」など生の声が出ました。最後に「私たちの加速プランをみんなで立てよう。あまりにも眠っている時間が長すぎた。もう待っている時間はない。女性の政治参画養成講座を立ち上げよう」との決意を表明し、熱気冷めやらぬワークを終了しました。

C よりよい職場のつくり方 ~男女がいきいき働くために~

講師:杉浦 礼子さん(高田短期大学オフィス情報学科准教授
主催:三重県生活・文化部勤労・雇用支援室

会場の様子

 県内企業4社からパネリストを招き、よりよい職場づくりのための座談会を開催しました。率直な意見や各社の取組紹介などを通して、男女がともに能力を発揮し、満足して働き続けられる職場づくりについて活発な意見が交わされました。従業員満足を高めることが顧客満足にもつながっていくという意見や、制度があるだけになってしまっているのでは、という率直な考えが述べられ、後半では社員たちが声を出して、それをフィードバックできるような仕組みを整えることが必要だという提案がありました。質疑応答では来場者の方から、取組を進めることの難しさについて質問もあり、より深く考えていただけたと思います。

D パパの子育てで何が変わる?パパたちのトークセッション!

主催:ファザーリング・ジャパン東海、三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」

トークの様子

 パパの子育てでパパ自身が家族が、職場が変わる!子育て中のパパたちが育児の体験談や子育てについての思いを語り、これからの社会のあり方を考えました。前半は、今年結成したファザーリング・ジャパン東海の紹介、「パパスイッチ」がどういう時に入ったか、パパをどう楽しんでいるか等についてのトークセッションを行いました。後半は、育休について、パパ力についてのグループワークを通して、参加者がお互いに育児への思いを語り合いました。
 参加した現役パパからは、「みなさんの育児・家事体験を聞けて、自分のやっていることに自信が持てた」プレパパからは「子どもが産まれたら育児を楽しみたいと思った」などの感想がありました。

E 女性研究者のワーク・ライフ・バランス

主催:三重大学女性研究者支援室・事業連携機関

ワークショップの様子

 県内の女性研究者を知っていただくため、また研究者同士の交流を深めるため、三重大学女性研究者支援事業連携6機関のうちの4機関と、三重県の科学技術系研究所のうちの女性の研究者が所属する、保健環境研究所、農業研究所、工業研究所、水産研究所から、女性研究者に集まって頂き、「女性研究者のワーク・ライフ・バランス」のワークショップを行いました。ほとんどの時間を使って、テーマ1「女の多様性、それぞれの生きざま」について、8人の方に主にご自身の研究テーマや経歴をお話しして頂きました。集まった方々に様々な女性研究者を紹介でき、研究者同士でも特に先輩研究者の話について、「学ぶことが多く、あまりこういった機会がないので大変面白かった」という感想を頂き、とてもよい交流となりました。


午後の部 

オープニング

オープニングの様子

ホールイベントは学生サポーターの司会で幕を明けました。

檀上の武村さん

 オープニングでは元三重県男女共同参画審議会会長の武村泰男さんより、「三重県男女共同参画推進条例制定か10年を迎えて」と題してお話をいただきました。

三重県男女共同参画功労者表彰式

表彰式の様子

 三重県における男女共同参画社会づくりの推進に関し、特に顕著な功労のあった方を表彰。その功績を称えるとともに、男女共同参画社会づくりに対する県民の一層の理解と関心を高め、男女共同参画社会づくりの促進に資する事を目的として、今年新たに創設されました。
 男女共同参画功労者表彰には、稲垣節子さん、岡本萬里子さん、竹内令さん、武村洋子さん。男女共同参画特別功労者表彰には、伊藤さなゑさん、武村泰男さん、濱田滋子さんの7名の方が受賞されました。

「男女がいきいきと働いている企業」三重県知事表彰式

知事表彰式

 今年度から始まった、三重県「男女がいきいきと働いている企業」認証制度の選考企業の中から、選考委員会奨励賞を財団法人食品分析開発センター SUNATEC(サナテック)が受賞されました。


基調講演「一人ひとりの働き方、生き方~ディーセント・ワークを目指して~」

講師:金谷 千慧子さん(NPO法人女性と仕事研究所代表)

金谷さん

 「ディーセント・ワーク」とは、働きがいのある人間らしい仕事という意味。金谷さんからは、「ディーセント・ワーク」を実現するためのワーク・ライフ・バランスの実現が重要である、というお話がありました。
 また、日本の現状について、女性の管理職登用割合や男女の賃金格差、役職における男女比率など統計を用いながら分かりやすくお話がありました。
 そして、国で言われている「2020年までに女性の指導的立場への女性の参画を30%を目指す」という目標に対して、なぜ30%以上必要であるのかという根拠と、それに向けて必要な取組を諸外国の例を用いてお話しいただきました。

シンポジウム「自分らしく“働き方”を選択できる社会へ」

コーディネーター:石阪 督規さん(三重大学人文学部准教授)
シンポジスト:秋山 則子さん(NPO法人三重みなみ子どもネットワーク理事長)
       荒木 由佳さん(株式会社ぎゅーとら 人事部教育課長)

石阪さん

 シンポジウムでは、基調講演に引き続き金谷さん、NPO法人三重みなみ子どもネットワーク理事長の秋山則子さん、株式会社ぎゅーとら人事部教育課長の荒木由佳さん、コーディネーターには三重大学人文学部准教授の石阪督規さんにご登壇いただきました。

講演中の様子

 シンポジウムの冒頭には、10月に育児のための休暇を取得された伊勢市長の鈴木健一さんから、体験談や今後の伊勢市としての子育て支援の取組についてお話をいただきました。参加者からは、「首長が率先して育児に関わることで、次に続く職員にとても好影響がある」との期待の声がありました。

檀上の方々

 シンポジウムではそれぞれの立場から取組内容やご経験など多岐にわたりお話をいただきました。シンポジウムの最後には、コーディネーターの石阪さんから「子どもたちに『働く』ことに夢を持てるよう、ワーク・ライフ・バランスの実現などを通して、男性、女性も含めて、楽しく魅力的に働く大人を増やすことが大切」とお話がありました。

相談ブース

相談ブース

 みえチャレンジプラザ、三重労働局雇用均等室、三重行政相談委員協議会が相談ブースを開催しました。『働く』事に関するお役立ち情報も展示しました。

チャレンジマーケット

チャレンジマーケット

 女性起業家によるクッキーやケーキ、パン、草餅などの販売がありました。たくさんのお客様で賑わい、早々に売り切れる商品も!大人気のマーケットとなりました。

パネル展示

パネル展示

「三重県男女共同参画推進条例制定10周年記念パネル」「統計でみる三重の男女共同参画」「フレンテみえ登録企業パネル」「三重県内29市町の男女共同参画推進状況」「県内市町の取組」展示が行われました。

パパ&じぃじカフェ!

 パパアンドじぃじカフェ

 お昼時間帯のエントランスでは、男性講座修了生やフレンテみえ登録団体の男性グループが集まり、手作りクッキーや、コーヒーを振舞いました。来場者はカフェを楽しみながら、午前中のワークショップについてや、パパやじぃじたちと家事メン・イクメンになるヒントなどについて和やかに話し合っていました。

交流会

 交流会にはシンポジウムでご登壇をいただいた秋山さん、荒木さんにも出席いただき、フォーラムで「働き続ける」ために気づいたことなどを中心に参加者同士が意見交換をしました。