男女共同参画フォーラム~みえの男女ひと2010~
一人ひとりの働き方、生き方 1日目

開催日
2010年11月12日(金曜日)(1日目)
開催場所
三重県男女共同参画センター 「フレンテみえ」
講演会講師
武村 泰男さん(元三重県男女共同参画審議会会長)
ワークショップ講師
水落 正明 さん(三重大学人文学部准教授)、菅原 裕子 さん(NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事)

全体会

第1部:「三重県男女共同参画推進条例制定当時を振り返って」

講師:武村 泰男さん(元三重県男女共同参画審議会会長)
主催:三重県生活・文化部男女共同参画・NPO室

檀上の武村さん

 今年は、三重県男女共同参画推進条例制定10周年にあたります。また、平成233月には平成14年に県が策定した三重県男女共同参画基本計画(平成19年に一部改訂)が終了します。
 そこで、元三重県男女共同参画審議会会長の武村泰男さんから「三重県男女共同参画推進条例制定当時を振り返って」と題して講演をいただきました。 この中で、武村さんの妻が当時の知事に条例制定について直談判したことや、条例制定に向け住民の方などから成る懇話会が県内10ヵ所で「県民の意見を聴く会」を開催したことなど、当時のさまざまな動きを話されました。

第2部:「第2次男女共同参画基本計画策定に向けた県民の意見を聴く会」

主催:三重県生活・文化部男女共同参画・NPO室

会場の様子

 県の担当者から「第2次三重県男女共同参画基本計画」中間案の概要について説明を行った後、会場の皆さんからの意見をお聴きしました。
 会場からは「中間案の中に住民や市町との協働という言葉がよく出てくるが、現状では県の姿がよく見えない」「行政で女性議員をつくるような講座を設けてほしい」「実施計画の中で女性の参画加速プログラムのようなものを作るべき」などの意見が出されました。


ワークショップ

1 統計でみる三重の男女共同参画~三重の労働条件をピックアップ!~

講師:水落 正明 さん(三重大学人文学部准教授)
主催 : 三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」

ワークショップの様子

 男女共同参画を統計の視点でみると・・?今回は「労働」に焦点をあてて開催!前半は講師の水落正明さんから、統計の読み解き方をお話しいただいたうえで、労働分野における三重県の男女共同参画の現状について考えました。特に、三重県の女性は結婚・出産で一時的に仕事を辞める割合が高い背景についても分析しました。
 後半は、市町の意識調査や条例・プランの策定状況などの資料をみながらグループワークを行いました。参加者からは、「データについて、その背景を考えることの重要性に気付いた」「いろいろな立場の参加者と詳しい話し合いができてよかった」「今後、データを扱う際の参考になった」などの感想がありました。

2 子どもが育つ ‘ハートフルコミュニケーション’ 

講師:菅原 裕子 さん(NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事)
主催:三重県健康福祉部こども局こども未来室

ワークショップの様子2

 子どもが幸せに育つための大人の役割は自立できるようサポートすることであるという視点で「サポートするとはどういうことか」「そのときに大切にすべきことは何か」について、講義やさまざまなワークをとおして、楽しく学ぶことができました。
 講義の内容は具体的で非常にわかりやすく、参加者からは、「今日からすぐに実践できる」「子育ての不安が少し和らいだ」「もっとたくさんの方に聴いてほしい内容だった」などの声が聞かれました。
 子育て中の親に限らず、さまざまな立場の方にそれぞれ好評をいただき、講座終了後30分以上も質問者、相談者の列がとぎれませんでした。

3 農村女性起業のステップアップ~もう一歩上の経営を目指して~

講師:小池 伊佐子さん、熊谷 修さん(小池手造り農産加工所(有))
主催:三重県農水商工部農業経営室・三重県中央農業改良普及センター

ワークショップの様子3

 農産物や豊かな地域資源を活用した起業活動を開始する女性農業者やグループが増えており、県内で116件の農村女性起業が活躍しています。今回のワークショップでは、一人ひとりの能力が発揮される元気な農業経営、活気ある地域づくりにもつながる農村女性起業の発展に向けて、小池手造り農産加工所有限会社の専務・小池伊佐子さん、部長・熊谷修さんを講師にお迎えしました。農産物加工や加工所の運営等々について実践を踏まえた講話の後、参加者の事例紹介や質問に答えていただくコーナーもあり、参加者は自身の起業に活かしていこうと熱心に聞き入っていました。「実際に製造、販売をしている方の話が直接聞けてよかった」「各地域でさまざまな形で頑張っている方を紹介してもらってためになった」という声も聞かれました。


学生の声

 「県民の意見を聴く会」や3つのワークショップを通して、参加者の方たちの男女共同参画への意識の高さを感じました。「県民の意見を聴く会」では、参加者の方たちからの意見が途切れることなく、白熱した意見交換が行われました。私たち学生も刺激をうけ、男女共同参画のPR活動をもっと活発に行うべきではないかという感想を持ちました。それぞれのワークショップでは、講演者の方々のお話を聞いて、新たに男女共同参画について考えるきっかけを得ることができました。三重県民はもっと男女共同参画について考えていくべきではないかと思います。私たち学生も、この機会を活かして積極的に行動していきたいです。