平成22年度 女性のための自己主張トレーニング

開催日
平成22年5月8日、15日、6月12日、19日、26日 (全5回)いずれも土曜日
開催場所
三重県男女共同参画センター 「フレンテみえ」  2階セミナー室A 及び 3階セミナー室C
講師
小田切 由里さん (フェミニストカウンセリング堺 カウンセラー) 
グループに分かれてのトレーニング
グループに分かれてのトレーニング

 グループに分かれてのトレーニング フレンテみえ相談室に寄せられた相談から、多くの女性が対人関係で悩んでいることが分かりました。
 今年もフレンテみえではこのような女性たちの声を受け止め、自分の思いを自分に合った言葉で、過不足のない伝え方を学ぶ「自己主張トレーニング」を開催しました。
 この講座は大変人気が高く、今年も2倍を超える応募があり抽選となりました。

こんなことを学びました。

自分の気持ちや意見を言ってもいい! 自分も相手も大切に。

  女性は特に「でしゃばってはいけない」などと育てられることが多く、自己主張をするのはわがままではないかと考えがちですが、人は誰でも、「心の基本的人権」として「人と違っていい」「自己表現してもいい」「ありのままを感じてもいい」などの権利があります。そして、自分が関わっていく必要がある相手に対して、相手にもこの権利があると意識しながら自己主張をしていくことが大切だと学びました。

言いにくいのはなぜ?

  受講生から、「断ったら相手を怒らせてしまいそう」「嫌だと言ったら相手と気まずい関係になりそう」という声が出ました。講師は受講生の言いにくい理由を受け止め、それなら「こんなこと言ったら気を悪くするかもしれないけれど・・・」などと、言いにくい理由を先に相手に言うと、言いたいことが言いやすくなると助言しました。

相手に非難がましく言うのではなく、自分の気持ちを言おう!

  「あなたは~だ」(YOUメッセージ)と 相手に非難がましく言うのではなく、“私”を主語にして(Iメッセージ)自分の気持ちを伝えるのが良いということを学びました。

実際に言ってみよう!

  そして実際に、受講生自身の体験の中でうまく言えなかった出来事について、その時の自分の気持ちはどうだったのかを思い出し、なんと言えばその気持ちが相手に伝わるかを考えていきました。はじめは自分の気持ちってなんだろう?となかなか自分の気持ちが分からなかったり、自分の気持ちを言っているつもりが「私は、あなたは~だと思っている」などと“隠れYOUメッセージ”になってしまったりと、苦労している場面もありました。しかし、講師がホワイトボードにいっぱいになるほど“気持ちの言葉”を講座生から引き出したり、受講生が積極的に質問したり考えたりすることで、受講生は自分の言いたかったことを言葉にすることができました。そしてそれを5・6人のグループで言ったり、スタッフに言ったりして実際に練習をしました。

講師はどんな人?

  今年度は小田切由里さん(フェミ二ストカウンセリング堺カウンセラー)を講師としてお迎えしました。ゆったりとした優しい語り口で話され、受講生は安心して質問したり考えたことを言ったりすることができました。「とにかく言いやすい相手からでいいから言ってみよう。自己主張していくうちに自信がついてきて自己主張できるようになる」と受講生を励ましました。また受講生の様子に応じてワークを組み立てていただいたので、とてもわかりやすい講座になりました。

最後に

  全5回という短い講座ですが、 自分の気持ちを過不足なく相手に伝える方法を学びました。これを実践していくのは容易なことではないかもしれません。 これからは実生活の中で、今まで言い難くて言えなかった事柄をできるだけ言いやすい相手に伝えるということから始めていけば、自信につながるのではないでしょうか。
 もっと練習の場が欲しいという受講生の声があり、仲間で自己主張の練習をしていく有志のグループ「にこにこ」が発足しました。仲間たちは定期的に集まり、どういう風に言えば自分の気持が相手に伝わるか、仲間で聞き合って練習をしています。

講師 小田切由里さんから一言!

  自分の気持ちよりも周りの人の気持ちを優先しながら生きてきた女性にとって、自己主張してもいいのだとなかなか思いにくいものです。

 このトレーニングでは、自分と相手の気持ちをどちらも大切にしながら自己主張をする練習をします。まずは、自分の気持ちに気づき、的確な表現をみつけていきましょう。

 アサーティブに自分の気持ちを表現することで、よりよい人間関係を築いていけると思います。

小田切 由里 さん

(有)フェミニストカウンセリング堺所属
カウンセラー

 
フェミニストカウンセリング堺及び行政の相談室でカウンセリング担当。女性のグループトレーニング、サポートグループ、CRなどのファシリテーターや、大学などでセクシュアル・ハラスメント相談員として活動している。

参加者の声

  • 練習で、相手に「参加してほしい!」(YOUメッセージ)と言ったときは、言った気がしなかったが、一言「私はつらかった」(Iメッセージ)と自分の気持ちを加えて言ったら(言いづらくてしんどかったけれど)すっきりした。
  • 5回では足りない!ですが、がんばってIメッセージで伝えていきます。
  • この講座を受けて何か自分が変われるような気がします。
  • 講座の内容だけでなく「人」からもらう力も大きいと思います。。