平成22年度 女性のための自己尊重トレーニング
「女性のための 自己主張トレーニング」とともに、毎年大人気のこの講座。平日開催にもかかわらず、今年も定員24名のところを2倍近いご応募があり、抽選となりました。
「トレーニング」というとなにやら厳しそうですが、円座になって自分自身やお互いの気持ちを確かめながら進められていくので、受講生一人ひとりの心にじっくり届くメッセージは満載です。好評のうちに全5回が終了しました。
自己尊重トレーニングは、普段自分のことよりも家族や周りの人を優先し、自分のことはつい後回しになりがちな女性たちが、自分を大切にし自分を信頼する力を育てることを目的に実施しました。
まずは名札作りから
自分のことを考える第一歩は名札作りでした。受講生には名札に自分の呼ばれたい名前を書いてもらいました。「呼ばれている名前ではなく、私が呼ばれたい名前って何だろう?」 はてっ?と、皆さん一瞬手を止めて考えていました。名札作りからトレーニングがすでに始まっていました。
ワークを使って自分を見つめて
トレーニングではさまざまなワーク(自分を知るための課題や質問のシート)を使って、楽しいことは何か、どんな時にどんな感情を持つのかなど自分自身について考えました。日々、家事・育児・仕事・地域の活動等に忙しく走り回っている女性にとって自分のことを見つめる時間を持つことは容易ではありません。トレーニングの中で自分と向き合うことは、受講生にとって貴重な時間となったようです。

語ること、聞くことにより自分自身への理解を深めて
ワークのあと、2人1組や、3~5人のグループで語り合いました。自分の話をしっかり聞いてもらうことの心地よさを感じたり、自分と違う感じ方や考え方に刺激を受けたり。「人と違っていいんだ!」と実感された方もいたのではないでしょうか。
講師はどんな人?
今年度から講師が変わり、新しい講師には具ゆりさん(名古屋YWCAフェミニストカウンセラー)をお迎えしました。お姉さんタイプの具さん。妻として、嫁として、母としての具さんのエピソードを聞いて、受講生は「私にも似た経験がある!」と自分に引き寄せて考えることができたようでした。具さんは、女性が感じるしんどさやとらわれは、個人の性格の問題ではなく、「女性はこうあるべき」というまわりからの押し付け(外的抑圧)と、それを自分の中に取り入れてまるで自分の考えのように感じてしまうこと(内的抑圧)によるものであると受講生にしっかりと語りかけました。
最後に
全5回という短い講座ですからそれを終えたからといって、すぐ楽になったり、なにかがうまくいくようになったりというわけではありません。このトレーニングは自分の中に成長の種を蒔くことであり、その種を大事に育てていくのは、それを受け取った女性たちです。
自分だけではうまくいかないと落ち込むかもしれません。そんな時、気持ちを話せる友人やグループがあれば心強いですね。フレンテでは、講座のあと、受講生に語り合いのグループ作りを呼びかけ、有志のグループ「ひまわり」が発足しました。メンバーたちは、定期的にフレンテみえに集まり、“わたし”を基点に様々なテーマで語り合い(CR)を続けています。
具 ゆり さん

ウィメンズカウンセリング名古屋YWCA
フェミニストカウンセラー
各地でコミュニケーション・スキル、アサーティブ
ネストレーニング、ドメスティック・バイオレンス、セ
クシャル・ハラスメント、デートDVの講座、講演、研修の講師を多数務める。
- “自分”を発見し、その自分を認めていこうと思えた。
- 自分の心をじっくり考えたり、人の話を聞く機会ができて、とてもよかったです。
- 自分の短所はいややなぁと思っていたが、長所としてみることもできることに気がつきました。
- とても楽しく参加でき自分の心地よい時間となりました。