平成25年度女性に対する暴力防止セミナー
子どもをDVの被害者にも加害者にもしないために

開催日
平成25年11月23日(土曜祝日)
開催場所
くわなメディアライヴ 1階 多目的ホール
講師
遠矢 家永子さん(特定非営利活動法人SEAN 副理事長)

毎年、1112日から25日の「女性に対する暴力をなくす運動」の期間に合わせて「女性に対する暴力防止セミナー」を行っています。
今年度は、子どもとDVをテーマに桑名市で実施しました。24年度にフレンテみえが実施した「デートDV」に関するアンケート調査の結果報告のあと、次に遠矢家永子さん(特定非営利活動法人SEAN副理事長)から、「子どもをDVの被害者にも加害者にもしないために」と題した講演が行われました。

「デートDV」に関するアンケート調査報告

報告者:滝石麻衣子(三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」職員)
 
 フレンテみえでは、平成24年度に三重県内で初めての大規模調査となる「デートDV」に関するアンケート調査を実施しました。調査から、デートDV被害を経験した人の割合は、交際経験のある人のうち、全体では約4人に1人、女性の約3人に1人、男性の約6人に1人という結果がでました。このことから、デートDVは一部で起こっている問題ではなく、すべての若い世代に関係する問題だと言えます。
 また、被害後の相談先としては、友人が約9割です。相談者となる可能性が高い若い世代には、デートDVに関する正しい知識を学習する必要があります。
 今回の調査で、デートDVの被害・加害と、「男は外で働き、女は家庭を守るべきである」という固定的性別役割分担意識には相関関係があることが分かりました。
 今後もフレンテでは、デートDVを防止するために、対等な関係作りや男女共同参画についての正しい知識の理解を深めていきます。


※HPに調査結果を掲載しています。

こちらのページからダウンロード出来ます。(外部リンク)外部リンク

講演会
「子どもをDVの被害者にも加害者にもしないために」

講師:遠矢家永子さん(特定非営利活動法人SEAN副理事長)

 DVが子どもに与える影響や、なぜDVが後を絶たないのか、ジェンダー意識と暴力の関係等について、分かりやすく解説がありました。
 子ども向けのおもちゃのカタログを見ても、女の子は家事・育児・おしゃれ関係、男の子は戦い・スポーツ・乗り物関係ばかりが掲載されているなど、子どもの頃から繰り返し刷り込まれる「男らしさ」「女らしさ」の価値観があること、子どもたちが多く目にする実際の漫画やインターネットでは女性が性的商品として扱われている現状や偏った恋愛観が数多くあり、それが「女性性」の被害性と「男性性」の加害性につながっていること等をお話いただきました。
 被害者・加害者にさせないためには、年齢に応じた予防教育を繰り返し行い、①自分のココロとカラダの状態を知り、受容し、表現する、②ジェンダーの視点を学ぶ、③「安心」「信頼」「尊重」の関係と「支配」「管理」「所有」の関係の違いを見極める力を育む、④メディアリテラシー力を育むことが必要だと話されました。
 参加者からは「自分の中に、男女に対する思い込みや決めつけがあることに気づいた」「小さい頃からの教育や、子育て一つ一つが大切だと分かった」などの意見が聞かれました。

檀上の遠矢さん
会場の様子

講師紹介

遠矢 家永子 さん(特定非営利活動法人SEAN 副代表) 

特定非営利活動法人SEAN教育部門「G-Free」代表。2002年に中学生向け人権教育プログラムを開発し、未就学児から大学生まで、これまで15,000人以上の子どもたちに出前事業を提供してきた。ジェンダー視点で「次世代の子どもへの大人の責任力」を高めるために、全国で活動を展開中。1960年大阪市生まれ。高槻市在住。