女性はもっと怒っていい!―女性の怒りは社会の課題―
怒ることはよくないと思っていませんか?
いつもニコニコと笑っていることが人の、特に女性のあるべき姿だと感情を抑えてはいませんか?
社会にはまだまだ女性が引き受けさせられている役割や納得できないことがたくさんあります。そんな社会で生きていれば怒りを持つのも当然!今回はそんな女性の怒りと社会の課題について考える講座を2日間にわたって開催しました。
10月14日<午前>
日本フェミニストカウンセリング学会代表理事でフェミニストカウンセラーの加藤伊都子さんから女性の怒りについて講義いただきました。怒りはどういう時に感じるのかについて解説があり、その感情が、自分に何を教えてくれているのかを丁寧に見ていくことが必要だと話されました。
次に女性の怒りが、女性参政権、賃金差別、セクシャルハラスメント、DV防止法等社会の課題を変えてきた歴史をお話しいただきました。最近でも待機児童問題やKu Too運動など女性だけが強いられている様々な問題についての問題提起がなされています。
ただ、怒りが行き場を失ったり、間違った対象にぶつけてしまったりすると自分を傷つけてしまうこともあるという話もありました。女性が怒ったり、発言したりすると周りからネガティブな反応が返ってきがちです。一人で戦わず仲間を作ること。怒っている女性、攻撃されている女性の味方になること、同じ女性として、少なくとも攻撃しないことを教えてもらいました。加藤さんからは「まっすぐな怒りが持つ力を信じて、自分や周りの怒りに慣れ、仲間を作っていきましょう」という温かい言葉をいただきました。
<午後>
まず、参加者は怒りの記入シートに自分の怒りについて整理し、怒りを持つ他の女性を応援するためにスケッチブックで応援メッセージを書き込みました。
その後一人7分ずつ自分の怒りについてプレゼンしました。他の参加者から賛同や応援のメッセージを受け取って、怒りという感情も自分自身も肯定できたようでした。
10月28日
NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのオーガナイザー中村果南子さんからご自身の怒りを社会課題の変革につなげてきた経験と、社会を変える手法の一つとしてコミュニティ・オーガナイジングについてお話しいただきました。
「仲間と一緒に変えていく、という希望に満ちた社会へ」というビジョンを持ち「人々のパワーで変革を起こす手法と勇気を届ける」ことをミッションとして活動される中で、中村さんのうまくいかなかった経験も共有いただきながら、どうやって同じ思いを持った人とつながっていくかについて学びました。
『スイミー』の物語のように、一人では大きな相手には立ち向かえないけれど、みんなで協力し合えば現状を変えていくことができるのです。中村さんからは「その人が自分自身を信じられたら思ってもいなかったすばらしいことが起きる。人は微力だけど無力じゃない。無力じゃないなら動いた方がいい。微力なら人とつながって協力し合えばいい」という熱いメッセージをいただきました。
- 歴史を含めて声を上げてつくってきた社会なのだと気づかされました。また、声をあげる場所を選ぶ事も大切なのだと思いました。
- 「怒りを伝えるのは悪いことではない」怒りが原動力になるんだと気づきました。怒ってるだけで終わらせず、行動のスタートにしようと思います。
- 男女の壁の厚さ、手強さがよくわかりました。みんな苦しんでいる。私だけではなかった。他の人の応援をするように、自分自身も応援したいと思いました。
- 自分の素直な感情、怒り、悲しみを表出しても良い。そこから人とのつながりができる。もしかしたら世の中が変わるかも?
- 怒りを感じた時に言語化し、発信する事で自分と同じ考えの人と出会えて活動し、社会を変えていく事はとてもすばらしいと思いました。人と関わる事は苦手だけど、人と関わる事は楽しい!にとても共感しました
- スイミーの話がとても具体的でわかりやすく良かった。一人では無理な事も人と繋がることで変えていくことが出来る
- 今回のテーマから想像以上の内容でした。日々感じている社会の課題をこの場で語ることで共感してもらえて、じゃあそれを今日からどう行動に移していけばいいのか?考える機会となりワクワクしてきました