平成26年度女性に対する暴力防止セミナー
「それDVです」

開催日
2014年11月15日(土曜日)
開催場所
亀山市総合保健福祉センター「あいあい」 2階 大会議室

 毎年、11月12日から25日の「女性に対する暴力をなくす運動」の期間に合わせて「女性に対する暴力防止セミナー」を行っています。
 今年度は、亀山市で、亀山朗読奉仕会による朗読劇『ひまわり~DVをのりこえて』の上演と、森田ゆりさん(エンパワメント・センター主宰)によるDVについての講演を実施しました。

内容

・朗読劇「ひまわり~DVをのりこえて」

 この朗読劇は、「無名の尊厳ある女性たちの物語を、別の女性たちが伝える」ということを目的として制作された作品で、夫や恋人からの暴力を乗り越えた女性が、自身やその子どもたちの身に起きたことを 語っていて、心のこもった朗読で切実さが胸に迫ってきます。
 参加者からは「素晴らしい」「もっと聞きたかった」との声が多数聞かれ、涙を拭きながらご覧になっている方もいらっしゃいました。

朗読劇の様子

・講演会「それDVです。」

講師:森田ゆりさん(エンパワメント・センター主宰)
 まず、DVの実態や性暴力が被害者に与える深刻な影響についてお話がありました。女性の約3人に1人は配偶者から身体的暴力を受けたことがあるにもかかわらず、被害を受けた女性の4割はどこにも相談していないことや、沈黙の犯罪と呼ばれる性暴力が人への信頼感を失わせ、被害者は自分を責めて自己嫌悪におちいり、無力感を抱くなど日常生活に大きな支障をきたすことを学びました。
 次に実施されたDVの本質を理解するロールプレイでは、2人のデートからありがちなDVの関係に発展していく様子や、その関係から逃れることの難しさ、被害者・加害者の気持ちまで、一度に理解することができました。このロールプレイを考えることによって、自分がいつ被害者・加害者になってもおかしくない、身近なものであることにも気づかされました。また、相談される立場になった時にどのような点に注意して話を聴くとよいのかというワークも行いました。余計なことは言わず、「あなたの言っていることは分かるよ、不安や怖い気持ちは間違っていないよ」という気持ちでただ聴くことの大切さをお話いただきました。
 最後にDVが子どもに与える影響についても話されました。周りの大人は子どもの話を信じてしっかり聴くこと、言葉にならない気持ちを言語化することが必要とのことでした。
参加者は定員を超える105名となり、「気が付かないけれど隣で起こっているかもしれないような身近にある問題として理解できた」「DVが起こる原因、暴力は支配の手段であること、個人の力ではどうすることもできないこと、聴くことの難しさと大切さがよく分かりました」などの意見が聞かれました。

講師写真
講演会の様子

森田ゆりさん

 米国と日本で、子ども・女性への虐待防止専門職の養成に30年近く携わる。その間7年間はカリフォルニア大学主任研究員として、多様性、人種差別、性差別など人権問題の研修プログラムの開発と大学教職員への研修指導に当たる。現在は行政、企業、民間の依頼で、多様性、人権問題、虐待防止などをテーマに日本全国で研修活動をする。
「子どもと暴力」「しつけと体罰」など、英文と日本文著書多数。第57回保健文化賞受賞。参加型研修プログラムの開発及びそのトレーナー、ファシリテーター人材養成のパイオニア。

亀山朗読奉仕会

 昭和54年に設立し、朗読奉仕を中心に、社会貢献活動を行っている会員数13名の団体。主な活動としては、「広報かめやま」や「市議会だより」を音声CD化し、希望者へ送料無料で届けたり、新聞などの素材をもとに季節の話題や社会の情報等を朗読したり自主制作CD「山鳩」を月1回製作したりしている。また、録音図書を製作し、亀山市立図書館で貸し出しも行い、三重県視聴覚障害者支援センター蔵書の製作や月に1回の定例会議や学習会、ボランティア入門教室を行っている。