理想の母親/今の私

開催日
2021年5月12日(水曜日)~6月23日(水曜日)
開催場所
三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」  2階 セミナー室A
講師
加藤伊都子さん(フェミニストカウンセリング堺 フェミニストカウンセラー)

“母親”は女性に課せられている役割の中で、代表的なものの一つです。母娘関係、子育て関連の講演や、母親と子どものためのグループの活動も数多く行っている講師にお願いし、“母親”という役割に悩む方に向けた講座を3回連続で開催しました。

初回は、『理想の母親』のイメージの調査結果や母親を描いた様々な著作物をもとに、自分自身がしばられ、世間から求められている母親のあり方について考えました。講座の中では参加者から母親となってからの率直な気持ちや悩みが語られました。

2回目は『理想の母親』とは誰にとっての理想なのか、自分の母親はどんな人だったのかを自分が育てられた過程を振り返りながら考えました。参加者からは親の希望や感情を子どもに押し付けてきたのではないかという反省と後悔の気持ちや、まず自分自身の人生を豊かにするように考え直したいという声が聞かれました。

最終回では「理想の母親となるよう努力するのは誰で、それを認定するのは誰か」という問いから、子どもの要求に応えること、子どもに合わせることとはどういうことか、また、親としてのあり方について考えていきました。

講師からは「自分はいい母親ではないと思っているかもしれませんが、世の中には未熟でない親はいません。失敗したと思ったら少し落ち込んで、長く引きずらずに修正していきましょう」「理想の子どもではなく、現実の子どもを見ることが大切。母親は自分の人生を生きること。自分自身の不安と問題に向き合い、自己肯定感を取り戻す。そうすれば子どもに『私のための人生ではなく、あなたはあなたの人生を生きて』と言える。親ができることは子どもが作った人間関係の網の目を切らないことと、健康で長生きして子どもに心配させないこと。大人が楽しく一生懸命に生きている姿を子どもに見せて生きることへの希望を持たせてあげたいですね」と話されました。

大阪の講師とフレンテ会場さらにオンライン参加の参加者とを結んで開催した本講座。講座終了後には希望者による語り合いの会が3回開催されました。

 

参加者の声

  • 自分の直面している問題を客観的に考えることができて良かったです。最後の「生きるとは関係の網の目をつくっていくこと」という言葉は一番腑に落ちた気がしました。そこを自分が奪われてきたことにきづき、また私の子どもたちはどうだったかと考えさせられました。
  • とても参考になりました。自分を大切にしていかなければ…と思いました。
  • 3回の講座ともとても勉強になりました。子どもたちとの今後に希望が持てる内容で大変良かったです。ひとつずつ、実行に移していきたいです。
  • 「子どもは母親が大好きなんです」「こんな母でごめんね。と謝る必要はありません。」という先生の言葉に涙があふれました。得意なことにエネルギーを使って、楽しく生きていきたいと思いました。
  • この講座を受講する前と後で自分の思いや考え方の大きな違いを感じられた。