娘からみた母・母との関係

開催日
2020年9月19日、10月17日、11月21日(各土曜日)
開催場所
三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」  2階 セミナー室A ほか
講師
加藤伊都子さん(フェミニストカウンセリング堺 フェミニストカウンセラー)

「母との関係に疲れている」「母のことを重いと感じながら、突き放すことに罪悪感がある」「どうして私のことを分かってくれないの?」そう日々感じながらも“娘”という役割から逃れられないでいる方のための講座を開催しました。

3回の講座ではそれぞれ、母の存在がなぜ娘を苦しめるのか、娘を悩ませる母との関係性とは何か、娘が自分の人生を生きるためにはどうすればいいか、というテーマで講師からお話しいただきました。

1回目には母親に課せられた重い責任と子どもへの期待、その母親から手渡され、娘へと受け継がれてきた教え・規範・厳しい評価について話されました。娘が何に苦しめられてきたのか、また、そのような行動をなぜ母親が取ってきたのかを理解できたのではないでしょうか。

2回目は母と娘の葛藤の歴史や関係性の理解を進めました。母との関係が苦しくなる時はどういう場合か、娘への視線と、息子への視線の違いが生じるのはなぜかをひも解いていきました。

3回目は母と娘、お互いが持つ幻想の母像と娘像はどんなものか、それはどこから来るのか、母との葛藤から抜け出すためのプロセスとポイントについてお話がありました。

3回の講座で、母と娘の関係を難しくしている原因にはジェンダー規範(女性は、母は、娘はこうあらねばならない)が大きく関係していて、社会の中で知らず知らずにそれを身につけ、母や娘である自分自身を縛りつけていることが分かりました。

最後に、母と距離を置こうとする時に感じる不安や罪悪感の正体と対処法として「罪悪感は親の言いなりになっていない時に感じるものだから、感じた時が正解だと思っていい。自分のために行動している証拠です。その気持ちは経験を重ねれば慣れて平気になりますよ」という心強い言葉で教えていただきました。「自分が自分を最上のパートナーとしていつも太鼓判を押し、絶賛してください」とのことでした。

講座では、講師からのお話だけでなく、参加者同士の体験や思いを話し合う時間もありました。笑いや涙にあふれた、温かい時間となりました。

 

参加者の声

  • 講座に参加するまでは、自分と同じ苦しみを持っている方と今まで出会ったことがなかった。自分だけがおかしいのでは、という苦しみがあったが、たくさんの方が参加されていて、その苦しみが軽くなりました。
  • すでに母を見送りました。さんざん振り回され、大変な思いをフルコースで体験しました。もう遅いとは思わず、これからでも幸せになってやろうと思います。
  • 「母」を抱えて生きていかなければいけないという重圧感、「母」の思うような人間になれなかったという敗北感と無力感をひきずっていましたが、「母」の理想とまったく正反対の人生を生きられている自分って良い!とマインドチェンジすることができました。
  • 皆さんの体験談、講師からのメッセージを全て書きとめたいと思うほど重くひびきました。少し前を向こうと思えました。