マイ・レジリエンス 一人ひとりの中にある力

開催日
2019年11月23日(土曜祝日)
開催場所
三重県文化会館 レセプションルーム
講師
NPO法人レジリエンス代表 中島幸子さん

毎年「女性に対する暴力をなくす運動」期間に合わせて開催する「女性に対する暴力防止セミナー」に、今年はNPO法人レジリエンス代表の中島幸子さんをお招きし「マイ・レジリエンス~一人ひとりの中にある力」というタイトルで、DVの仕組みや被害の影響、被害をどうやって乗り越え生きていくかなどをテーマにご講演いただきました。

NPO法人レジリエンスでは、DV被害者のことを「☆(ほし)さん」と呼んでいるそうです。「人はどのような逆境に置かれても、誰もが本来持っているレジリエンス(回復力)に気づいて自ら光り輝く力がある」という意味が込められているとのことです。

DVやモラハラはコミュニケーションのとり方が問題なのではなく、関係性の問題であると語られました。よい関係を築くには、平等、尊重、安全感という要素が必要であること、問題解決の方法として暴力を選ぶ加害者には相手を尊重する意思が欠けていることなどについてお話がありました。

中島さん自身も未だに暴力被害の影響による症状があり、治療を続けながら支援活動をされていてます。被害を受けた過去は変えられなくても、周りからのサポートを得て安全な繋がりや居場所を持ったり、過去を捉え直したりすることで、過去の傷つきが現在にもたらす影響を変えられると語られました。

中島さんは、被害者でありながら加害者に寄り添う視点も持ち、少年院などでも講演を行っておられます。それは、少年たちにも安全や安心を感じる居場所があれば、加害者側に回ることはなかった被害者であると考えているからだそうです。

私たち一人ひとりがお互いを尊重し安全を感じる繋がりを持てた時、DVに限らずいじめやパワハラの被害による傷つきを抱えた人を減らすことができるのではないでしょうか。

講演終了後は大勢の参加者が中島さんのもとに集まり声を掛ける様子から、皆さんの高い満足度が感じられました。

参加者の声

  • 細部にわたり丁寧に☆さんの立場、気持ちを説明していただき、気づくこと考えさせられることがとても多かった。DVの恐ろしさを改めて思い知らされた。
  • 中島さんご自身がまだ回復途中という中でこういう活動をして生きている。そういう方に出会えたのは良い機会だったと感じました。
  • 加害者の問題やDVから逃げられない理由がよく分かった。
  • トラウマケアがとても参考になりました。生きるためのエネルギー、パワーをもらいました。中島さんに感謝します。
  • なぜ別れないのか…支配しているトラウマティックボンディングを理解できました。本人が良い決断をしてほしい。