男女共同参画フォーラム みえの男女(ひと)2018
女性の可能性が開く未来  男性が取り組む・変える未来
(同時開催:「第31回農山漁村のつどい」)

開催日
2018年11月10日(土)
開催場所
三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」 1階 多目的ホール他

まだまだ男女格差の問題が根強い日本。そんな不平等を無くし、女性の可能性が開かれた社会を実現するために、“HeForShe”をはじめ、さまざまなムーブメントが起こり始めています。

今年の男女共同参画フォーラムでは、男女格差の問題を女性だけのものにせず、男性を含む誰もが一緒に考えていくために一人ひとりが何をすべきか、ともに考えました。

ホールイベント 

ダイアモンド✡ユカイさんスペシャルトーク

聞き手:小野 美智代さん(国際協力NGOジョイセフ 市民社会連携グループ長)

対談の様子

「ハロー サムシング!」と颯爽と登場いただいたダイアモンド✡ユカイさん。小野美智代さんの進行でお話を伺いました。ユカイさんは「自分の人生を自分らしく決めるために」とジョイセフが行っているキャンペーン「I LADY.」のアクティビストとして活動されており、ご自身の経験からずっと続けられている「男性不妊」についての活動と共通する部分があると感じられているそうです。「男性不妊は6人にひとりといわれているが、学校でも「避妊」については話しても「不妊」については話さない。まずは知ってもらうために、行動(Act)することが大切だと思い、やっている」との事。


「ロックというと『暴力』や『破壊』というイメージがあるんですが…」という問いには、「元々は大人がつくった既成概念を若者がぶっ壊すというのがロックだったが、ジョン・レノンが「LovePeace」を掲げたり、家族の日常をロックにして歌ったりと、時代とともにぶち壊し方も変わってきている。」とユカイさん。また、ご両親が当時にしては珍しい共働きで、父が皿洗いをしている姿も見ており、「今にして思うと、イクメンの走りだったのでは。」と当時を振り返っておられました。
なんと、ユカイさんは幼稚園のPTA会長をされた経験があるそうで、「自分は「へっぽこ」だが、それを応援してくれる人がいたりと、自分でもできることがあると思っている。自分の立ち位置というものがあると思ってやっていた。」とおっしゃっていました。

日本はジェンダーギャップ指数(男女の格差がどれくらいあるのかをランク付けしたもの)が144ヵ国中114位と非常に低いという現状も紹介され、「医学部入試の報道にもあるように裏で男性が優位なように数字が操作されたりと、まだまだ日本でも男女差別が起こっている。「国連では「HeFoeShe」というキャンペーンを行っているが、ハリーポッターでおなじみのエマ・ワトソンさんが国連のスピーチでも話しているように、「男性が女性のために」ということではなく、ひとりひとりみんなが違い、それぞれの個性として認めていく、みんなでアクションを起こしてムーブメントに参加していこうというのがHeForSheの本質。」と小野さん。男と女というよりひとりの個性として、それぞれできることを考えてほしいとお話いただきました。

三重県では先日1025日にHeFoeShe賛同イベントが開催され、鈴木県知事やフレンテみえを運営している事業団の雲井理事長も賛同署名を行っています。「三重県は「男性不妊」も最初にとりあげてくれ、その後自分の活動も広がっていった。」とユカイさん。ご自分もHeForSheに賛同署名され、「電波の状態がよければスマホから簡単にすぐできると思う。」と、会場のみなさんへもアクションへの参加を呼びかけました。小野さんからも「多くの人が表明をだすことで政治を変えたり世界をかえることにつながる。自分自身でできることは何だろうと考えてアクションを起こすことが大切」とお話いただきました。
最後に、ユカイさんからは、「ひとりの人間として理解をもって、よりよい社会をつくっていきましょう。自分の役割や立ち位置、自分の場所が必ずある。自分にできること、その人にしかできないことがある。ぜひ行動し、すすんでほしい。」とメッセージをいただき、ステキな歌のプレゼントにて締めくくられました。

分科会

分科会1「まちへの想いをカタチに。ススム、変わる!プロジェクト発表会」

発表者:平成30年度女性のためのエンパワーメントスクール「まちへの想いをカタチに。ススム、変わる!」受講生

フレンテみえで今年度開催している全5回講座「まちへの想いをカタチに。ススム、変わる!」の9名の受講生が、想いの背景、今すすんでいること、今後の目標などについて発表を行いました。

発表者の皆さんは、自分たちの住むまちや地域に対する「想い」の実現に向け、その想いを整理し、話し、つながり、今より一歩前にすすめていきたいと、講座の中で取り組み、第4回講座にあたるこの分科会での発表へ向け、お互いを支え、刺激し、応援しあいながら準備をすすめてきました。発表を終えた達成感、今後への情熱や抱負があふれでる満面の笑顔、そして発表後の分科会参加者との自由交流もたくさんの輪ができ活発に行われ、より話を深め、名刺交換をされる様子が印象的でした。多くの応援を受けとり、受講生の皆さんはこの分科会が、ススム、つながる大きな一歩、そして仲間たちとの連帯感をさらに深める機会となったようでした。

 

分科会2「どうやる三重の男女共同参画〜よりん彩に学ぶ〜」  

主催:男女共同参画みえネット

男女共同参画最先進県の鳥取県から男女共同参画センター「よりん彩」所長片山彦志さんを講師にお迎えし、講演会と意見交換を行いました。

片山所長から鳥取県の組織・理念・機能、「よりん彩」の位置づけや取組事業をお話しいただいた後、三重県や市町の男女共同参画を推進するためにどうやるか、片山所長へ参加者から次々と質問や意見が続く活発な話し合いとなり、全員参加型の話合いを目指し参加者の意見を表示するために用意した青・赤・黄色の札を活用する機会がないほどでした。

分科会3 持続可能な農・山・漁・村のカタチ ~経営承継・相続を考える~

主催:「第31回農山漁村のつどい」実行委員会

分科会3の「農山漁村のつどい」では、経営承継・相続について考えました。事例報告では、突然承継が迫られた鈴鹿市の農業者、西村直也さんから、苦労が自分を強くし経営者として成長させてくれたこと、夫婦で鳥羽市菅島に移住し水産業を営む小寺めぐみさんからは、異業種との連携で地域や水産業をつなぐ姿が報告されました。その後、前川浩一税理士より、「知ってトクする!相続・事業承継の基礎知識」と題しご講演いただきました。承継のカタチは、親族内は減少し、多様化している。後継者育成を考えると、早くから準備をすることが重要など、前川氏自身も一年前に承継された経験を交え、相続や法人化の基礎知識をご教授いただきました。持続可能な農山漁村を築いていくためには、常日頃から、不安要素を取り除いて未来に向かう話し合いの場が大切で、そのうえで、男女に関わらず一人ひとりの前向きな意識と行動を育てることが重要であると感じる分科会となりました。

分科会4 はじめよう“おとう飯”

主催:ひろみ会

フレンテの男性講座から22年前に結成された男性料理教室「ひろみ会」。今回の分科会では、元高校家庭科教師の白井孝子さんを講師に「簡単に、手間をかけずに」できる“おとう飯”作りに挑戦する、男性料理教室を開催しました。

メニューは「飾り巻寿司」。先ずは炊飯器でご飯を炊いて、その間に寿司桶や団扇を準備して…とイメージしてしまいますが、今回作っているのは“おとう飯”。「簡単に、手間をかけずに」の心得に従って、寿司桶は使わず、炊きたての炊飯器のご飯に直接寿司酢を混ぜ込んで寿司飯をつくるなど、調理を簡単にする工夫を織り交ぜながら2種類の巻寿司を作りますました。

参加者の皆さんからは「なるほど、これなら後片付けが楽だ」などの声をいただき、簡単で手早くできて、そしておいしい飾り巻寿司作りを楽しんでいただきました。「経験が無くて料理なんかできない…」「家族のために立派な料理を作らければいけない…」そんな心理的ハードルを少し下げ、まずは家族と一緒に料理を楽しんでみよう、と思ってもらえるような会になりました。

三重県内市町の男女共同参画に関する取組展示

三重県内各市町の2018年の男女共同参画取組状況をまとめた展示を行いました。
展示内容は以下のリンクからもご覧いただけます。

三重県内市町男女共同参画取組展示2018ダウンロードファイルリンク(PDF形式、1,519キロバイト)

参加者の声

  • HeForSheの活動ははじめて知った。自分のできるところからやっていきたい。
  • 退職後の男性の姿が多くみられ、テーマにもある「男性が取り組む」の男性の意識改革が必須と感じます。自分の立ち位置、自分の役割、大切だと思いました。
  • 一人ひとりの個性を理解する事が大切。とても共感することができました。色々知らないことを知ることができました。