輝け!非正規男子

開催日
2016年3月5日(土曜日)
開催場所
三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」  1階 情報コーナーレクチャースペース

非正規雇用の割合は、今や働く人の4割に達しました。希望して非正規雇用を選択する人もいますが、正規雇用を希望しながら叶わず、不本意なまま非正規雇用で働く人も多くいます。それはタイミングや環境、社会の仕組みなど個人の責任に因らない場合も多く、努力しているからといって全員が正社員になれるとは限りません。

もちろん、性別に関わらず正社員として働きたい人が働ける社会に変えていくことが必要です。しかし現実的には、すぐに変えるということは難しいでしょう。それならば今の社会の仕組みの中でさらに努力し続けることも大切なのかもしれませんが、何度チャレンジしてもうまくいかず、いつまでも先が見えない中でモチベーションを維持することは非常に難しく、やる気をなくしてしまうかもしれません。

しかし「正社員」が幸せな人生の絶対条件なのでしょうか?
非正規雇用だったら人生は楽しくないのでしょうか?
嘆いても笑っても状況が変わらないなら、笑っていたほうがいい。
どんな状況でも楽しむ力を身につけることができたなら、それは何かへの一歩にきっとつながるはず。
そしてそこに仲間がいたら。

今回のミニセミナーは、非正規雇用のフレンテみえ男性職員のそんな気持ちから企画されました。

当日は20代から50代の男性にお集まりいただき、思いを語っていただきました。
「非正規という立場が気になって、友だちとも疎遠になってしまった」
「結婚したいけど、非正規だとうしろめたくて結婚できない」
「非正規という立場で気兼ねなく話せる場所が欲しかった」
などの話に、皆さん一様に頷かれていました。

非正規雇用には経済的な問題に加え、ジェンダーの問題があります。「男は弱みを見せてはいけない」「男は家族を養うだけの安定した稼ぎがあって当たり前」などの「男性はこうあるべき」という意識が男性に圧力をかけ、「非正規だと他人に知られたくない」「今の自分は非正規だから友人と対等な関係になれない」「家族を養うという男の役割が果たせない」と当事者を生き辛くさせている、そんな現状が垣間見えました。

そのあと、それぞれが好きなことや興味のあること、やってみたいことを付箋に書き出し、発表していただきました。
ランニング、テニス、自転車、バイク、登山、バーベキュー、釣り、農業、料理、ギター、太鼓、おもちゃ修理などなど。
参加者の皆さん全員が、いろいろなことをされており、また好きなことを語っていただく中で、その思いや人となりも伝わってきました。

最後に「皆さんに出していただいた『やってみたいこと』の中から、実際に皆さんで企画、実施してみませんか?」とこの活動の継続を提案したところ、ほとんどの方が希望されました。

企画した職員自身、今後が楽しみであり、明るい可能性を感じたミニセミナーとなりました。
参加していただいた皆さんも同じ気持ちであって欲しい、そして全員の新しい一歩につながればと希望を抱いています。

参加者の声

  • 同じ立場の人といろいろ話すことができて楽しかった。心がすっきりした感じがある。
  • 他の男性の話を聞いて自分だけではないということにほっとしました。
  • みんなそれぞれ好きなことがあり、多くの意見が出てよかった。